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Bさん
カーディーラーへの就職を考えている就活生。
志望動機の書き方がわからず、頭を抱えている。
神奈川トヨタ自動車 リクルート室 室員
神奈川トヨタ自動車の採用担当。 トヨタモビリティ神奈川で営業職を経験したのち、採用担当へ。 現場経験を活かし、より”リアルなノウハウ”で就活生をサポートします。
すみません。自動車業界用に志望動機を書きたいのですが…。
自動車業界ですか。いいですね。志望する企業や職種は、決まっていますか?
ええと、まだ決まりきっていなくて…。
なるほど。ということであれば、まずは志望する企業や職種を決めましょう!その方が志望動機も書きやすいですよ。
えっ、そうなんですか?
はい。それに加えて、自動車業界にもトレンドがあり、押さえるべき事柄も多いですから、入念に準備することが大切です。
せっかくですから、自動車業界の特徴やトレンド、自動車業界向けの志望動機の書き方やポイントなどについて詳しく見てみましょう。
例文も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
よろしくお願いします!
自動車業界の特徴
自動車業界は、日本の経済を支える業界の一つです。
例えば、一般社団法人日本自動車工業会の「2023 日本の自動車工業」によると、2021年の製造品出荷額は56兆3679億円で、全製造業の中では17.1%にのぼります。
製造品出荷額の大きさは、経済成長や雇用創出などさまざまな指標となり、自動車業界が日本経済にとって重要な位置を占めていることがわかります。
また、自動車業界と一口に言っても、素材加工や部品製造から始まり、自動車の組み立て、販売まで全てに関わる企業が含まれるため、就業人数が多く、2022年時点の自動車関連産業の就業人口は554万人です。
2022年の自動車輸出金額は17.3兆円にものぼり、海外からも注目度が高いことがわかります。
大きな業界であるだけに、安定性や将来性などを見込めますが、その分企業によって規模や特色も様々なため、ご自身に合った企業を探すことが大切です。
希望に合った企業に就職するためにも、慎重に志望動機を考えていく必要があります。
自動車業界の主な就職先
自動車業界の就職先は、多岐にわたります。
ここでは、自動車業界の主な就職先について見ていきましょう。
自動車ディーラー
自動車ディーラー(カーディーラー)とは、特定の自動車メーカーの自動車を取り扱う店舗のことです。
主に、直営店と特約店の2種類があります。
- 直営店
- 特約店
直営店は、自動車メーカーやその子会社などが直接運営している店舗を指します。
一方、特約店とは、自動車メーカーと「特約販売店」の契約を交わしている店舗のことです。
自動車メーカーと消費者をつなぐ役割を持ち、自動車の販売から、車検やメンテナンスといったアフターフォローまでをおこないます。
自動車メーカーから、自動車や純正部品だけでなく、情報や技術なども提供されるという特徴があり、品質の高さや安心感、サービスの充実度などが魅力です。
後述する自動車販売会社と区別するために、正規販売店、正規販売会社、正規ディーラーなどと呼ばれことがあります。
自動車販売会社
自動車販売会社(自動車販売店)とは、複数の自動車メーカーの自動車を取り扱う店舗のことです。
自動車の販売からアフターフォローまでおこなう点は、自動車ディーラーと同じです。
しかし、自動車販売会社は、自動車メーカーやその子会社の直営ではなく、特約販売店の契約も結んでいません。
そのため、自動車の仕入れルートに違いが表れます。
自動車ディーラーが、自動車メーカーから自動車を仕入れるのに対し、自動車販売会社は自動車ディーラーから仕入れることがほとんどです。
国産車だけでなく、輸入車などを取り扱う店も多く、消費者にとっては様々なメーカーの自動車を比較検討できるメリットがありますが、サービスや保証などが一定の品質ではなかったり、整備工場がなかったりというデメリットもあります。
規模も、会社によってさまざまです。
自動車ディーラーと区別を付けるため、サブディーラーのような名称で呼ばれることもあります。
自動車メーカー
自動車メーカーとは、自動車業界にとって重要な「自動車を創り出す」という役割を担う企業のことです。
自動車の企画や設計、研究や開発、製造などを総合的に手掛けています。
自動車部品メーカーや素材メーカーなどから部品を仕入れ、最終的に自動車を完成させることから、「完成車メーカー」とも呼ばれます。
世界的に活躍している大手企業は、ブランド力と競争力、そして安定性も高いため、就職を目指す方も多いでしょう。
ただし、大手ほど消費者の需要に応える力が必要なため、研究や開発、営業など、さまざまな面で高いレベルを要求される就職先といえます。
自動車部品メーカー
自動車部品メーカーとは、自動車メーカーが使用する部品を製造・開発する企業のことです。
自動車を一つ完成させるためには、ガソリンエンジンやモーターを始め、1000以上の部品が必要になります。
自動車メーカーだけで全て担当するのは非効率なため、自動車部品メーカーは、自動車メーカーから発注を受け、連携しながらさまざまな部品の製造・開発を担当します。
自動車部品メーカーと一口にいっても、どの部品を製造・開発するかは、企業によって違います。
カーエアコンを専門にしている自動車部品メーカーもあれば、エンジン周りを専門としている自動車部品メーカーもあります。
自動車関連企業
自動車関連企業は、自動車業界を支えるさまざまな企業を指します。
例えば、下記のようなものがあります。
- ガソリンスタンド
- EV充電器の設置・施工事業者
- 自動車用品関連メーカー
- カー用品店
- 損害保険会社
- 自動車整備工場
- 中古車販売店
- レンタカー会社
ガソリンスタンドやEV充電スタンドは、自動車が走り続けるために欠かせないものといえるでしょう。
より車内を快適にしてくれるカー用品を開発する自動車用品関連メーカーや、万が一のときに備えて保険を用意する損害保険会社など、自動車に関わる就職先はさまざまです。
押さえるべき自動車業界のトレンド
現在の自動車業界は、100年に一度の変革期といわれています。
変革期において、重要視されているのが、「CASE」と「MaaS」という2つ言葉です。
「CASE」と「MaaS」は、自動車業界のトレンドでもある、重要なキーワードです。
ここでは、志望動機にも取り入れたい、2つのキーワードについて見ていきましょう。
CASE
自動車業界で、トレンドワードとして浸透しているのが「CASE」です。
CASEとは、「Connected」、「Autonomous」、「Smart (Shared&Service)」、「Electric」の頭文字をつなげた言葉です。
それぞれの詳しい意味を確認していきます。
Connected
Connectedは、インターネットと接続するコネクテッド技術のことです。
コネクテッド技術が使われた自動車は、デバイスやサービス、車同士など、さまざまなものとつながり、より便利に利用できます。
インターネットに接続できる家電「IoT(Internet of Things)」が増えているのと同様に、自動車もIoT化が進んでいます。
インターネットに接続することで、位置情報から最適なルートがわかったり、事故が起きたときの通報がスムーズになったりと、さまざまなメリットがあるのです。
Autonomous
Autonomousとは、自動運転のことです。
自動車業界は、人ではなく自動車が常に運転をコントロールする「完全自動運転」を目標としています。
現在も、自動運転は一部が実現されており、自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)は代表的なものといえるでしょう。
カメラやレーダーなどにより、先行車や歩行者などを検知し、衝突が予測される場合はブレーキが自動で作動します。
他にも、先行車の追従機能や、車線をはみ出さないようにサポートする機能なども、実用化されています。
Smart (Shared&Service)
Smart (Shared&Service) は、カーシェアリングのことです。
運転免許を保有していても、経済的な理由や公共交通サービスの充実などにより、マイカーを持たない選択肢を選ぶ方も珍しくありません。
カーシェアリングやカーリースなどのサブスクリプションも、現在は広く普及し、市場は拡大しています。
マイカーを所有するのではなく、シェアも選べる時代に突入したといえるでしょう。
今後の自動車業界も、シェアという選択肢があることを前提で展開していく必要があります。
Electric
Electricは、自動車の電動化や、電気自動車の普及のことです。
自動車業界は、環境問題への取り組みとして、世界的に脱炭素化へと進んでいます。
温室効果ガスの排出量を抑えるために、日本でも、2035年までに新車販売の100%を電気自動車にすることを表明しています。
電動自動車(BEV)、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池自動車(FCEV)という4種の電気自動車の開発と普及が、自動車業界にとっての今後の課題です。
MaaS
MaaS(マース)は、「Mobility as a Service」を略した言葉です。
直訳すると「モビリティはサービスと同じ」の意味になり、自動車の販売に限らず、利用者が最適な手段で移動できるように移動サービスを整えることを指しています。
MaaSは、マイカーだけでなく、バスや電車などの公共交通機関に加え、タクシーや自転車カーシェアリングなど、さまざまな移動手段を組み合わせて考えるのが特徴です。
より便利に移動できるように、時刻表の確認や電話予約、決済などを、一つのプラットフォームに統合できないかといったことが模索されています。
自動車業界の主な職種
自動車業界の仕事は、素材加工から販売まで多岐にわたりますが、大きく5種類に分けられます。
どの職種を選ぶかで志望動機の書き方も変わるため、職種の違いをしっかり押さえておきましょう。
営業・販売
営業・販売は、顧客に自動車を売ることが主な仕事です。
販売は既に購入意思がある顧客に対して自動車やサービスを売ります。
一方、営業は顧客と話して潜在的な需要をキャッチし、適した自動車やサービスを提案する他、担当として相談も請け負うという違いがあります。
自動車メーカーの営業は主に法人に対するBtoBで、自動車ディーラーの営業は個人に対するBtoCの営業が基本です。
神奈川トヨタは自動車ディーラーのため、営業は個人に対するBtoCが主です。
BtoCは、お客様の生活に寄り添い、末永くお付き合いできるのが魅力です。
興味がある方は、ぜひリクルート情報をチェックしてみてください。
営業職エントリー|採用サイト|神奈川トヨタ自動車株式会社
商品企画
商品企画は、自動車やサービスを新規に企画する仕事です。
主に自動車メーカーや部品メーカーに多い職種で、市場を調査・分析し、顧客が欲しいと思う自動車やサービスは何かを突き止めて、コンセプトを決めていきます。
常に最新の流行を掴むアンテナの高さや情報収集力、需要を理解する分析力、新しい視野を受け入れる柔軟さや引き出しの多さ、新しいアイディアを思い付く発想力などが求められます。
企画を経営陣にプレゼンして認められ、研究・開発チームとやり取りをすることで、新たな自動車やサービスが形になっていきます。
マーケティング
マーケティングは、広告、イベントなどを通じて集客する仕事です。
自動車を単に発売しても、その魅力が顧客に伝わらなければ、なかなか購入してもらうことはできないでしょう。
そのため、市場調査を基に、顧客に伝わりやすい方法や魅力的な見せ方などを考えながら、マーケティングをおこなう必要があります。
ホームページやSNSの運用、インターネット広告やプレスリリースの配信、イベントやキャンペーンの企画・運営、購入特典の考案など、業務は多岐にわたります。
生産
生産は、自動車の生産をおこなう仕事で、大きく生産管理と製造の2つに分かれています。
生産管理は、部品の手配、品質の管理、人材の確保などをおこない、決められた日程で生産が完了するように計画や調整などに注力する仕事です。
製造は、生産管理の指示を受けながら、自動車を決められた品質で組み立てていきます。
生産管理は特に計画力や調整力、製造は体力と技術力などが問われる仕事といえるでしょう。
研究・開発
研究・開発は、自動車の新技術を研究したり、新たな部品を開発したりする仕事です。
モーターやエンジン、トランスミッションなど、さまざまな分野の専門家を集め、次世代の自動車に必要な技術の研究や部品の開発をおこないます。
実験や検証でデータを集めることや、自動車に組み込んだ場合の製造コストを計算することも、業務の内です。
研究・開発の分野は細分化されているため、ミスマッチを避けるためにも、携わる分野を明確に決めておく必要があります。
自動車業界の志望動機を書く際のポイント
自動車業界向けの志望動機で評価を受けたいのであれば、ポイントを押さえましょう。
ポイントは主に4つです。
・求められる人物像を理解する
・自動車業界を志望する理由を明確化する
・その企業を選んだ理由をはっきりさせる
・入社後に貢献したい事柄を述べる
求められる人物像を理解する
自動車業界が求める人物像は、志望動機を書く前にぜひ把握しておきましょう。
企業によっては、どのような人物を求めているかをホームページで明確に示しているため、参考にしてみてください。
例えば、神奈川トヨタ自動車株式会社では、下記のような人材を求めています。
- 自ら道を「ひらく」
- 前向きに「すすむ」
- 気持ちに「よりそう」
- 人や社会と「つながる」
自動車業界の仕事は、CASEやMaaSなどからもわかるように、変化していきます。
新しいことをおそれず自ら道を拓いていける方や、向上心を持って前向きに進める方が向いているでしょう。
また、さまざまな部署との連携してくことが求められ、お客様や社会ともつながり、支え合っています。
そのため、他者の気持ちに寄り添い、人や社会とつながる意識を持っている方が求められます。
自動車業界を志望する理由を明確化する
志望動機は、「なぜ自動車業界を選んだのか」を明確に書く必要があります。
例えば、商品企画を志望する方が「大好きなものづくりに携わりたい」「環境に優しい商品を企画したい」というような志望動機では十分なアピールには繋がりにくいでしょう。
ものづくりや環境に優しい商品づくりは、自動車に限らず他の業界でもできてしまうためです。
営業・販売を志望する方も、「なぜ自動車という商材を扱っていきたいのか」ということが述べられていなければ、他の業界に使い回せる内容と思われてしまうでしょう。
業界研究を通し、自動車業界にのみ通用するような内容に仕上がっていることがベストです。
その企業を選んだ理由をはっきりさせる
志望動機は、「なぜその企業を選んだのか」を明確化することも大切です。
志望している企業には、それぞれに強みがあります。
例えば、ハイブリッド車を開発する企業は複数あるため、「ハイブリッド車の開発に携わりたい」とだけ述べてしまうと、ハイブリッド車を開発している他の企業でも良いことになってしまいます。
また、企業によって、企業理念にも違いが表れます。
企業理念は「社会にどのような影響を与えたいか」が表現された、企業の根幹ともいえるテーマです。
企業理念を実現するため、自動車事業だけでなく、金融事業や住宅事業など、さまざまな事業を展開している企業もあります。
企業理念にどう共感しているかという部分も見て、その企業のどこが良いと感じ、就職したいと思ったのかを明確に記載しましょう。
入社後に貢献したい事柄を述べる
志望動機では、入社後に貢献したい事柄も述べる必要があります。
企業へ、自身が入社するメリットを示す必要があるためです。
企業は利益を追求する必要があり、その一員となる新入社員が、やがて利益につながるかどうかも見なければなりません。
「入社後にこのように貢献したい」というビジョンを持っている方からは、やる気や熱意が感じられます。
また、実際に貢献してくれることが期待でき、一緒に働くイメージも持ちやすくなります。
他の就活生との差別化になり、印象に残りやすくなるメリットもあるため、入社後に自身がどのように貢献したいか、貢献できるかを述べるようにしましょう。
志望動機を作成するための5ステップ
ポイントはわかったんですが…実際に書こうとすると結構難しいです。
志望動機は、書き慣れていないと難しいことがありますね。
何か良い書き方はありませんか?
ありますよ。志望動機を書く際に行き詰まってしまう方は、下記の5つのステップを踏んでみてください。
・自己分析
・業界研究
・企業研究
・OB・OG訪問
・集めた情報をまとめる
自己分析
志望動機を作成する際、まずおこないたいのが自己分析です。
自己分析によって、志望動機に書く大枠が決まり、説得力のある内容を書くことが可能になるためです。
自己分析では、「どうして自動車業界に興味があるのか?」「なぜその企業に就職したいのか?」など、内面を見つめていきます。
さらに、自分の好きなことや大切にしていること、強みなどを洗い出していきます。
自己分析をおこなう際は、自動車業界が求めている人物像と照らし合わせながら、自動車に関連したエピソードを深掘りするのがポイントです。
業界研究
次に業界研究をおこない、自動車業界について理解を深めましょう。
業界の知識は、「自動車業界を選んだ理由」を作成するためにも必要です。
また、自動車業界は自動車を企画から販売されるまでの間に、さまざまな企業が関わっており、職種もさまざまです。
自身がどの企業の、どの職種を選ぶのかを決めるためにも、重要といえます。
関連企業のホームページやニュース、セミナーや合同企業説明会などを利用して、自動車業界について学んでみてください。
業界について全般的に学ぶため、一つの企業だけに時間をかけすぎないようバランス良く研究することを心掛けましょう。
企業研究
次に、企業研究をおこない、就職したい企業の知識をより深めていきます。
企業研究は、志望動機の「なぜその企業を選んだのか」という理由を述べるために必要です。
また、自身がどの職種を選ぶか、という点にも関わってきます。
就職したい企業について詳しく調べ、より深くその企業について学びましょう。
就職したい企業のホームページから、社員のインタビューやニュース、採用ページなどを見たり、合同説明会やインターンシップに参加したりすることで、企業研究がおこなえます。
神奈川トヨタ自動車株式会社では、インターンシップを夏と秋に開催していますので、ぜひ参加してみてください。
OB・OG訪問
機会がある方は、OB・OG訪問をおこなうとより効果的です。
OB・OG訪問とは、興味のある業界や企業に就職している先輩に、話を伺うことです。
自身の体験や、インターネットや雑誌などを基にした情報では、イメージに限界があり実際の仕事内容とは異なっていることがあるかもしれません。
そのため、OB・OG訪問で、自動車業界やその企業について詳しい話を聞き、よりリアルな情報を確認すると良いでしょう。
質問内容は、希望している職種の仕事内容や、志望している企業の実態、どのような人が活躍しているのか、1日のスケジュールなど、具体的かつ細かに聞くことが大切です。
また、先輩が入社したきっかけや志望動機なども参考にできます。
不明点がある場合は、事前にまとめておくと良いでしょう。
集めた情報をまとめる
十分に準備ができたら、 今まで集めた情報を整理して、まとめましょう。
ここまでの情報で、下記の情報が揃っているはずです。
- 志望に至ったきっかけやエピソード
- 自動車業界を選んだ理由
- その企業を選んだ理由
さらに、「自身が貢献できる事柄」を加えて締めます。
希望している企業や職種において、どのように強みを活かして働くつもりなのかを、具体的に述べましょう。
例えば、「〇〇(部活動、アルバイト、学校生活など)で培った××(知識、力、精神性など)を、△△(職種)で活かしたいと考えています」のような内容です。
文章や口頭で順序だてて説明しなければならないため、よく整理しておくことが大切です。
自動車業界で評価を受ける志望動機の具体的な書き方
評価される志望動機を書きたいのであれば、「PREP法(プレップ法)」で書くのがおすすめです。
PREP法とは、「結論(Point)」、「理由(Reason)」、「具体例(Example)」、「結論(Point)」
の頭文字を取った、簡潔に物事を伝えるための文章構成のことです。
下記の順番で文章を構成することで、物事を簡潔に伝えることができます。
- 結論:簡潔な志望動機
- 理由:志望に至った理由
- 具体例:具体的なエピソード、根拠など
- 結論:入社後に貢献できる事柄とともに再度の結論
簡潔な志望動機から始めることで、採用担当者は「これから何をテーマに話すのか」を理解しやすくなります。
さらに、志望に至った理由、具体的なエピソードと続けることで、情報が補完されて理解が深まります。
最後に、今までの流れを踏まえ、入社後に貢献できる事柄を結論として述べることによって、「入社後に何を達成したいか」という志望動機が明確になるのです。
具体的なエピソードは厚みを持たせて構いませんが、情報が増えてわかりにくくならないように、注意が必要です。
自動車業界の志望動機の例文
ここでは、自動車業界での就職を目指す方向けに、志望動機の例文をご紹介します。
例文を参考に、自身の状況や志望する企業などに合わせて作成を進めてみてください。
営業・販売の志望動機
私が営業職を志望するのは、貴社の接客に感銘を受けたからです。
私は、地方の出身で、移動に自動車が必須な環境で育っています。
移動が苦でなかったのは、元々車が好きだったこともありますが、貴社の営業の方が、家族にぴったりの自動車を選んでくださったからだと感じています。
父母が自動車を買い替える際など、幼い頃から貴社のお店へよく家族で出かけていました。
そのときに担当してくださっている営業の方が、父や母の話に親身に耳を傾け、より良い車種やサービスを提案してくださったことが、特に印象に残っています。
また、実際に私が車を購入する際にも、当時保険についてよくわかっていなかった私に詳しく教えて下さり、車検やメンテナンスなどの際には欠かさず連絡をくださっています。
自動車を購入するのは初めてでしたが、貴社のお陰で気持ち良く購入に進むことができ、今でも大切に乗ることができています。
貴社の営業のように、丁寧で心地良い接客で、多くの方の生活に欠かせない自動車という商材を販売できたらという気持ちで応募させて頂きました。
私は経済学部出身で、数字に強く、顧客ニーズの分析にも自信があります。
入社後は、経済学部で磨いてきた能力を発揮し、顧客ニーズを掴んで的確に顧客へ提案していくことで、貴社に貢献したいと考えています。 |
営業職の志望動機の書き方については、下記のコラムでも詳しく解説しています。
営業職を目指す方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。
営業職の志望動機を書くポイントとは?例文や営業職に求められる力についても徹底解説
商品企画の志望動機
私が商品企画を志望したのは、貴社のモノづくりの姿勢に感銘を受けたからです。
私には、車椅子を使用している祖母がおり、定期的に通院しています。
その際、助けられているのが、貴社の開発した福祉車両です。
助手席にターンチルトシートが付けられた福祉車両は、乗り降りしやすく、介助する祖父にとっても負担が少ないようです。
祖母は外出が好きだったのですが、事故で足を悪くしてからは、介助が必要な祖父に負担がかかるからと遠慮しがちでした。
福祉車両を購入してからは、二人で外出もしやすくなったようで、笑顔が戻りました。
後付けできる車椅子収納装置の開発やレンタルなど、貴社はライフステージも考え、お客様が欲しいと思うものを的確に作られていると感じます。
私は、大学では自動車部に所属しており、ナビゲーションを担当しておりました。
運転手は何を必要としているかという視点を磨き、活動を通じて新しいアイディアを作る楽しさを学びました。
自動車部での経験を活かしながら成長し、お客様の欲しいと思える自動車やサービスを企画することで、貴社の発展に貢献したく思っております。 |
マーケティングの志望動機
私が貴社のマーケティングを志望するのは、貴社の〇〇(車種)で、特別な体験をしたからです。
子供の頃、アウトドア派の父が、時々キャンプへ連れ出してくれたことが記憶に残っています。
大学の友人と久々のキャンプで他社の車種を使用したとき、長距離のドライブでも疲れない快適性、未舗装路でも走りきる走破性など、自動車に貴社のこだわりが詰め込まれていたからこそ素晴らしい思い出になったのだと実感しました。
貴社は今後〇〇に力を入れていくと伺い、貴社の自動車は、ますます魅力的な商材になると感じ、広く知ってもらいたいと考えます。
私は大学ではマーケティング研究会に所属してマーケティング戦略を、アルバイトでSNSを運用した経験から、お客様に届くメッセージの作り方なども学んできました。
入社してからは、それらの知識を活かし、貴社の魅力的な自動車を効果的に発信することで貢献したいと考えています。 |
生産の志望動機
私が生産管理職を志望するのは、より安全性の高い社会実現を目指しているためです。
私は事故を見かけた経験があり、その事故で死傷者が出なかったのは、品質管理が徹底しておこなわれていたからということが、理由の一つだと考えています。
もし貴社によって製造された部品が不良品で、衝突被害軽減ブレーキが正常に作動していなかったら、ブレーキは間に合わなかったかもしれません。
生産の現場で働く職人の方々が、品質に徹底してこだわっていることはもちろん、生産管理に携わる方が、品質管理により不良品を出さないように一つひとつ改善した結果だと思います。
これからの自動車業界においては、自動運転技術が重視され、人の手よりも機械や部品の力が一層重視されると考えています。
私は大学でデータサイエンスや統計学を学んでおり、研究室でも、データ分析能力を磨いてきました。
生産管理の、特に品質管理という業務において、データ分析能力を発揮し、貢献したいと考えています。 |
研究・開発の志望動機
私が貴社の研究開発を志望するのは、自動車の安全性の向上が欠かせないと感じたからです。
私は一度、事故を経験しており、その際、加害者となってしまった方はお年寄りでした。
超高齢化社会といわれている現状ではありますが、移動手段として自動車は欠かせないため、安全性の高い自動車の研究開発は急務だと感じています。
貴社は、衝突被害軽減ブレーキを始め、車線逸脱防止支援システムのような安全性を高める技術を多数開発している、安全技術ではトップを走る企業です。
貴社であればこそ、私の目的を達成できると、強く確信しています。
私は工学部で、学友や先輩と協力しながらエンジンやブレーキ制御に利用できるAI開発を進めておりました。
コストや時間、労力などの問題がありますが、貴社の環境であれば、実証実験にまで至れると思っております。
入社後はAI開発の専門知識を活かし、より安全性を向上させた自動車の開発を推し進めることで、貴社と社会へ貢献したく思っております。 |
評価されないNG志望動機の例
志望動機を書き終えたら、自身の書いた志望動機が評価されない内容になっていないか、見直しをおこなってください。
評価されない志望動機は、下記のようなものがあります。
「自動車が好き」だけで+αがない
志望動機は、「自動車が好き」というだけをアピールする内容だと、評価されにくくなります。
そもそも自動車業界を志望する方は、自動車への関心が高いか、自動車が好きということが珍しくありません。
そのため、他の就活生と差別化ができず、採用担当者の印象に残らないことが考えられるのです。
また、「趣味で良いのでは?」と思われてしまうおそれもあるでしょう。
例えば、「貴社の自動車が特に好きで、知識は誰にも負けない自信がある」のような内容だと、熱意は伝わりますが、その知識をどう活かすかに触れられていません。
他の就活生と志望動機を差別化するためにも、自動車が好きであることを仕事にどう活かすかまで書くことが大切です。
自身の志望動機が「自動車が好き」ということだけを述べている内容になっていないか確認してみましょう。
他の業界の志望動機にも使えてしまう
志望動機が、他の業界でも使い回せるような内容になっていないか確認してください。
自動車業界向けに書いたつもりでも、他の業界の志望動機としても使い回せるような内容になっていることがあります。
自動車業界には、大手企業もあり、倍率が高い傾向があります。
応募者が数多くいるため、採用担当者も、一人ひとりに割く時間は多くありません。
他の業界でも使い回せるような志望動機では、業界研究や企業研究などの基本ができていないと判断して、じっくり読まないことも考えられます。
リスクを軽減するためにも、志望動機が自動車業界のみを対象にしている内容かどうか、しっかり確認してみてください。
待遇に注目してしまっている
志望動機が、給与や福利厚生など、待遇を重視した内容になっていないかも確認しましょう。
待遇を重視した内容は、採用担当者が評価しにくいためです。
自動車業界には、世界的に活躍している大手自動車メーカーもあり、就活生にとって待遇は魅力に感じられるかもしれません。
しかし、採用担当者の立場からすると、その就活生が活躍する姿は想像しにくくなってしまう点に注意が必要です。
待遇の話をしてしまうと、「待遇以上の熱意を持って働いてくれるだろうか?」「待遇に不満があったら転職してしまわないだろうか?」など、不安がよぎり、採用に躊躇してしまうかもしれません。
就活生にとっては、今後に関わるため、確かに待遇は大事です。
採用担当者にとっては評価しづらいため、待遇を重視した構成にはならないようにしましょう。
効果的な志望動機で就職につなげよう
この記事では、自動車業界の特徴やトレンド、志望動機の書き方や例文などについて、詳しくご紹介しました。
自動車業界は市場が大きく、安定性や将来性など、就職先としても魅力的な要素が多くあります。
そんな自動車業界への就職を叶えたいのであれば、採用担当者の目に留まるように、志望動機も力を入れて作成しましょう。
効果的な志望動機で、自動車業界への就職のきっかけを掴んでみてください。