記事に登場するキャラクター

Bさん
自動車業界に就職したいと考えている就活生。ディーラーと自動車メーカーの詳しい違いが知りたい。

神奈川トヨタ自動車 リクルート室 室員
神奈川トヨタ自動車の採用担当。 トヨタモビリティ神奈川で営業職を経験したのち、採用担当へ。 現場経験を活かし、より”リアルなノウハウ”で就活生をサポートします。

自動車業界に就職したいと考えているんですが、ディーラーと自動車メーカーってどう違うんでしょうか?



そうですね。誤解されることがありますが、多くの場合、ディーラーは自動車メーカーの子会社というわけではないんですよ。



ええ!? そうなんですか?
自動車メーカーの名前が付いているディーラーもあるので、てっきり子会社だと思っていました。



給与体系といった待遇面にも違いがあるので、就職先としてどちらを選ぶかは、慎重になる必要があります。



なるほど…。



では今回は、ディーラーと自動車メーカーの具体的な違いや、それぞれの就職先のメリット、注意点などについて、詳しく解説しましょう。



よろしくお願いします!
ディーラーと自動車メーカーの違いとは?
ディーラーとは自動車メーカーと特約店契約を結んだ「販売会社」です。
メーカーの代理となって車を販売していますが、ほとんどの企業がメーカーの子会社ではなく別会社として経営されています。
そのため、仕事内容や資本関係など、さまざまな点に違いがあります。
ただし、ディーラーは、自動車メーカーから販売のノウハウや技術についても指導を受けることがあり、強い結びつきがあります。
それらを踏まえ、ここでは、ディーラーと自動車メーカーの具体的な違いについて、詳しく見ていきましょう。
・仕事内容の違い
・資本や待遇の違い
・自動車メーカーからディーラーへの出向はあり得る
仕事内容の違い
まずは、ディーラーと自動車メーカーの仕事内容を、営業職にも焦点を当ててそれぞれみていきます。
ディーラー
ディーラーは、自動車の販売、登録申請や保険加入などの手続き、点検整備といったアフターフォローをおこなうのが主な仕事です。
営業の仕事は、法人や官公庁と取引をすることもありますが、基本的に個人向けで、一人ひとりの顧客と向き合って信頼関係を築くことが大切になります。
新車ディーラーであれば、週末には試乗会や展示会など、店舗内イベントを開催することもあります。
また、ディーラーは、直営店と特約店に分かれているのも特徴といえるでしょう。
直営店とは、自動車メーカーが直接、あるいはその子会社などが運営している店舗を指します。
一方で、特約店は、特定のメーカーと特約販売店契約という専属契約を結んでいる店舗のことです。
どちらも、1つのメーカーの車種のみ専門に取り扱っており、特定の地域で独占的に販売しているのが特徴的です。
ディーラーは、正規ディーラー、正規販売店、正規販売会社といった名称で呼ばれることがあり、複数のメーカーの車種を取り扱う店舗は、サブディーラーや自動車販売店などと区別されています。
自動車メーカー
自動車メーカーは、車を製造するのが主な仕事です。
どのような車を作るべきか考案する「企画」から始まり、ボディやエンジンなど中枢部分の「設計」、内外装の「デザイン」、調達した必要部品を組み上げ「製造」するところまでをおこないます。
部品やソフトウェアなど、専門的な部分は外注したり、共同開発をおこなったりすることもあります。
自動車メーカーの営業の主な業務は、国内や海外における販路の拡大です。
100年に一度の転換期を迎えているといわれる自動車業界では、自動車用品や金融商品などのバリューチェーン事業を立案したり、シェアリングのような新しいモビリティサービス事業を企画したりということをおこなっています。
また、ディーラーの販売サポートをおこなうことも大きな仕事の一つといえるでしょう。
自動車メーカーが製造した車を、ディーラーが販売する役割を担うため、より顧客に購入してもらいやすいツールを作成したり、イベントの企画をおこなったりと、バックアップをおこないます。
他にも、国内・海外ともに販路を拡大するための営業活動などもおこないます。
資本や待遇の違い
ディーラーと自動車メーカーでは、資本にも違いがあります。
基本的に、自動車メーカーがディーラーの資本で運営されることはありません。
一方、ディーラーは、自動車メーカーの資本で運営されることがあります。
ディーラーは直営店と特約店で分かれており、そのうち直営店は、自動車メーカーの資本が入った子会社ということがあるためです。
ただし、直営店の数は少なく、トヨタ自動車株式会社の場合でも一社のみです。
また、直営店であっても、あくまで自動車メーカーとは別の組織であるため、給与や福利厚生など待遇面に違いがあるケースもあります。
特約店の場合は、自動車メーカーと特約販売店契約を交わしているものの、その地域の企業が経営していることが珍しくなく、この場合の資本は完全に別物です。
自動車メーカーからディーラーへの出向はあり得る
仕事内容も資本関係も異なりますが、自動車メーカーの従業員がディーラーへ出向することはあり得ます。
自動車メーカーは、ディーラーに知識や技術を伝える必要があり、また現地で経験を積める出向は、人材育成の面でも大きな役割を果たすためです。
出向は、営業と整備士どちらの従業員にもあり、一定期間を過ぎれば、出向元の自動車メーカーに戻ります。
また、出向元の自動車メーカーに籍を残したままのため、待遇は自動車メーカーの基準のままということが特徴といえるでしょう。
新たな店舗を立ち上げる際のスタートアップ、あるいは、海外に展開した店舗への指導など、出向するケースはさまざまです。
自動車業界に就職するメリット
自動車業界を志望する方が覚えておきたいのが、就職するメリットです。
ディーラーと自動車メーカーに分けて、それぞれのメリットを確認していきます。
ディーラーのメリット
ディーラーに就職するメリットとしては、一人ひとりと信頼関係を築いていけることが挙げられます。
法人や官公庁と取引することもありますが、ディーラーは基本的には個人の顧客向けに営業をする「BtoC(Business to Consumer)」ビジネスです。
そのため、顧客と信頼関係を築ければ、顧客の反応を直接聞ける機会があります。
特に営業職の場合、個人の頑張りが給与などに反映されやすいでしょう。
また、地域に密着した店舗で車を販売するため、地域の人々と長年付き合っていけることも、人付き合いが好きな方にとってはメリットといえるでしょう。
さまざまな顧客と会ってコミュニケーション能力を磨けることも、魅力といえます。
さらに、基本的には成果主義で、成績に応じたインセンティブやキャリアアップが見込めることも、自身の努力で収入をより増やしたい方にはメリットといえます。
自動車メーカーのメリット
自動車メーカーに就職するメリットとしては、まず福利厚生の充実や、年収の高さなどが期待できます。
一般的に自動車メーカーは大手企業が多く、企業の安定性や将来性も期待できるでしょう。
また、大規模な仕事に関わることができ、海外で勤務することも珍しくありません。
そのため、大きな仕事をしたい、成長をしたいという方にとっては魅力です。
大きな金額が動く「BtoB(Business to Business)」のビジネスで、販売戦略を立てて動くことには面白味があり、市場を動かすような大きな仕事がしたいという方に向いているといえるでしょう。
さらに、車を上手く販売できるよう、ディーラーの仕事をサポートできることにも、人を支える仕事が好きな方にとっては大きなやりがいが感じられるはずです。
自動車業界で営業に就職するためにすべきことは?



自動車業界は、ディーラーと自動車メーカーどちらに就職してもメリットがありますね。



はい。ただし、BtoCかBtoBかという大きな違いがあり、適性も変わってくるので、その点に注意してみてください。



わかりました!



では次に、自動車業界の営業に就職するためにすべきことについて解説していきましょう。



よろしくお願いします!
運転免許証の取得は優先的に
自動車業界に就職するために、まず取得したいのが運転免許証です。
特にディーラーの営業職は、試乗や納車など、さまざまなシーンで車を運転する機会があります。
自動車メーカーに就職する場合でも、経験を伴った車の知識がある方が良いといえます。
就職活動中に、他の就活生と評価が横並びになった際に、運転免許証の有無で評価が分かれることも考えられるためです。
そのため、自動車業界へ就職を目指す方は、運転免許証の取得が欠かせないといえます。
現在はAT車の普及が進んでいるものの、MT車を運転する可能性もあるため、早い段階でMT車も運転できる免許を取得するのがおすすめです。
自動車の基礎知識を蓄える
自動車業界に就職したいと思うのであれば、車の知識は必須です。
ディーラーでも自動車メーカーでも、車の知識を顧客に説明する場面はやってくるためです。
信頼を獲得して成約につなげるためにも、適切な提案をするためにも、車の知識はその第一歩といえます。
他社も含め、車種の性能や機能、安全性にどのような違いがあるかといったことを、知識として身に付けておくと良いでしょう。
可能であればエンジンの仕組みといった基本から学び、カタログや専門誌などを見て、日々知識をアップデートしていくのがおすすめです。
アルバイト経験があればアピール
就職活動では、接客や販売などのアルバイト経験があれば、積極的にアピールすると良いでしょう。
営業職ではコミュニケーション能力が問われるため、接客や販売などで磨いたコミュニケーション能力は、就職活動でアピールできる強みになります。
どのように接客してきたか、困難な状況をどのように乗り越えてきたかなど、具体的なエピソードを添えて伝えてみてください。
特に、カー用品店やガソリンスタンド、中古車販売店など、アルバイト先が自動車業界に関するものであれば、自動車業界への関心の高さもアピールできるはずです。
自動車業界の営業に就職する前に覚えておきたい注意点
自動車業界の営業職を志望する方は、自動車業界や営業職だからこその注意点があることを覚えておきましょう。
ここでは、自動車業界の営業職の注意点について4つ見ていきます。
個人目標が設けられていることがある
自動車業界の営業職に就職する方は、個人目標が設定されていることもあると覚えておきましょう。
どのような業界であっても、営業職の場合、個人目標が設けられていることが多いでしょう。
ディーラーの場合は、店舗目標の他に、月や四半期、年度などに、販売台数や保険の契約件数といった個人での目標が定められていることが珍しくありません。
自動車メーカーの営業職の場合も、同様に目標が設けられているでしょう。
自動車メーカーからディーラーに出向した場合は、出向先で設定された目標達成のために、販売活動をサポートする必要もあります。
そのため、目標に向けてひたむきに努力できるか、失敗を引きずらずにチャレンジしていけるかなど、自身の適性を見ておくことが大切です。
より高い目標を目指す必要がある
どの業界にも共通していることではありますが、自動車業界の営業職では、より高い目標を目指すことが求められます。
同じ会社であっても、営業職同士や店舗同士で切磋琢磨することによって、より良いパフォーマンスの発揮が期待できるためです。
個人での目標を達成していたとしても、店舗目標達成のために仲間と協力することや、個人目標をさらに伸ばすことで店舗での目標達成が求められることもあります。
他にも、個人の成績が貼り出されて共有されており、誰が目標達成しているのかが一目瞭然になっていることもあるでしょう。
同僚を含めて実績が可視化される仕組みがあることで、出遅れた人は前の人を追い越すために、前を進む人は追い越されないためにと、互いに努力する気持ちが働きます。
そのため、目標達成のために前向きに取り組める方に向いているといえるでしょう。



トヨタモビリティ神奈川は、営業職同士が社内で競争するのではなく、チームで目標達成を目指し、業務に取り組んでいます。
そのため、互いに手を取り、仲間同士で相談・協力しやすい環境になっているという特徴があります。
競争が不得意という方も、このような仕組みがある企業なら営業職を諦める必要はありません。
トヨタモビリティ神奈川の営業職に興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。
営業職募集要項|採用サイト|神奈川トヨタ自動車株式会社
土日の休みが少ないことがある
自動車業界の営業職は、土日の休みが少ないこともあると覚えておきましょう。
ディーラーでは、土日や祝日に休みを取る個人顧客がメインのターゲット層になるためです。
週末にイベントを開催することもあるため、週末はかえって忙しく感じられることがあります。
代わりに平日に休みを取りますが、シフト制が導入されているディーラーでは希望する日や曜日に休みを取ることが難しいこともあるかもしれません。
一方で、自動車メーカーの場合は、土日が休みということがほとんどです。
年収は自身の努力次第で変わる
自動車業界の営業職に就職すれば、年収が自身の努力次第で変わることも覚えておくと良いでしょう。
営業職の年収は、基本給に加え、実績に応じて支給される歩合給、成果に応じて支給されるインセンティブなどが大きく影響するためです。
安定を求めている方にはやや不向きですが、自動車業界は一度の販売で動く金額が大きいことから、モチベーションややりがいが感じられることはメリットといえるでしょう。
また、就職してすぐには思ったように収入を増やせないこともありますが、自身の努力次第で収入を増やせるため、努力家の方に向いています。
自動車業界の営業に就職するために身に付けたい能力
自動車業界の営業を目指すのであれば、さまざまな能力を磨きましょう。
ここでは、自動車業界を志望している方が身に付けておきたい能力について、4つ見ていきます。
・営業技術
・目標達成力
・顧客対応力
・自己管理能力
営業技術
自動車業界の営業職に欠かせないのが、営業技術です。
営業技術を求められるのは、自動車業界が車や保険のように、大きな金額が動く商品やサービスを取り扱っているためです。
営業技術には、適切な商品やサービスを提案する提案力(プレゼンテーション能力)や、顧客が求めているものを適切に聞き出す傾聴力(ヒアリング能力)など、さまざまなものがあります。
営業技術以外にも、意見がぶつかった際には交渉力や折衝力、企画立案には課題発見力や課題解決力など、営業職ではさまざまなコミュニケーション能力を求められます。
目標達成力
自動車業界の営業職に就職する方は、目標達成力が大切です。
営業職は、個人目標が課され、その達成を目指すことが求められるためです。
月や四半期などの目標を達成するために、日々の計画を立てる計画性や、行動を積み重ねていく実行力などが必要になります。
ディーラーはもちろん、自動車メーカーの営業も目標を課せられることがあります。
また、自動車メーカーの営業は長期的な販促企画や商品企画を立てることもあるため、分析力や企画力など、求められる目標達成力の水準は高いといえるでしょう。
顧客対応力
顧客対応力も、自動車業界で活躍するために不可欠な能力です。
ディーラーも自動車メーカーも、長期にわたりお客様と関わることが珍しくないためです。
例えばディーラーは、購入前の相談から納車後のフォロー、点検整備や次の車の相談までと、数年単位で関係が続くことがあります。
丁寧さや誠実さはもちろん、トラブルが起きたときにも冷静に対応できる柔軟性などがあると、信頼できる営業として評価されるはずです。
自己管理能力
自動車業界の営業職には、自己管理能力も求められる能力の一つといえるでしょう。
スケジュール調整や体調管理、モチベーション維持など、自身をセルフマネジメントする能力が高いほど、日々の業務で十分なパフォーマンスを発揮できるためです。
顧客に合わせて臨機応変に対応すべきときは多々あり、柔軟にスケジュール調整ができれば、日々の業務がスムーズにおこなえます。
また、自己管理能力が高ければ、より信頼される話し方や見た目などを目指して、自身を磨いていくこともできるでしょう。
自動車業界の主な就職先
自動車業界と一口にいっても、就職先はさまざまです。
ここでは、ディーラーと自動車メーカーを含めた、自動車業界の主な就職先について見ていきます。
自動車メーカー(完成車メーカー)
自動車メーカーは、自動車業界の中心的な存在で、車を完成させる役割を持つことから完成車メーカーとも呼ばれます。
大手が多く、福利厚生や教育制度の充実、待遇面の良さや安定性など、さまざまな点が魅力です。
長期的なキャリアを築きたい方や、BtoBの営業が好みの方は、ぜひ目指してみましょう。
部品メーカー、素材メーカー
素材メーカーや部品メーカーは、自動車を構成する素材や部品を作る役割を担う企業です。
自動車メーカーも、ガラスや鉄など、素材を一から作っているわけではありません。
また、専門的な部品は外部に作ってもらったり、共同開発したりということもあるため、素材メーカーや部品メーカーといった自動車業界を支える企業があります。
自動車メーカーをはじめとする法人との取引が主となるため、BtoBの営業職が好きな方や、自動車の素材や部品など専門性の高い部分に興味がある方におすすめです。
ディーラー
ディーラーは、1つの自動車メーカーの車種を、顧客に販売するのが主な仕事です。
自動車業界でBtoCの営業職としてイメージされるのは、まずディーラーの営業職でしょう。
個人の顧客と直接やり取りし、新車や中古車の販売、アフターフォローや点検整備などで長期的に関わるため、一人ひとりの顧客と信頼関係を築きたい方に向いています。
また、ノルマを達成して成果につなげられる側面が大きいため、実績や成果を積み上げて、収入アップにつなげたい方にも向いているといえます。
サブディーラー
サブディーラーは、複数の自動車メーカーの車種を取り扱う販売店です。
大手企業もありますが、地域の中小企業が地域密着型の営業をおこなっていることも少なくありません。
新車や中古車の販売をする中で、地域特性に合わせて営業をかけていくことや、少人数で幅広い業務に対応することなどが特徴といえます。
その地域に根差した営業をしたい方や、幅広い業務に挑戦して成長したい方などに向いているといえるでしょう。
まとめ
この記事では、ディーラーと自動車メーカーの違いや、それぞれの就職先が持っているメリット、注意点や就職のためにすべきことなどについてご紹介しました。
ディーラーと自動車メーカーは、基本的に仕事内容や給与体系などが異なる、別々の企業です。
それぞれ、仕事内容やメリットなどさまざまな点で違うため、よく比較して自身に合った就職先を目指してみてください。



トヨタモビリティ神奈川では、営業職を募集しています。
トヨタの新車や中古車を取り扱うディーラーで、神奈川県内で活躍したい方におすすめです。
自動車業界の営業職に興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。
営業職募集要項|採用サイト|神奈川トヨタ自動車株式会社