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Bさん
経済学部の学生。自分の進路について悩んでおり、同じ学部生の就職先や人気がある業界を調べている。
神奈川トヨタ自動車 リクルート室 室員
神奈川トヨタ自動車の採用担当。 トヨタモビリティ神奈川で営業職を経験したのち、採用担当へ。 現場経験を活かし、より”リアルなノウハウ”で就活生をサポートします。
経済学部で色々なことを学んだものの、実際に就職となると自分がどんな仕事をしたいのかよく分からなくて…。
国公立・私立を問わず多くの大学に設置されている経済学部は就職に有利と言われていて実際に就職率も高いとされていますが、将来のビジョンが見えていない人も多いのが実情です。
ほかの人たちはどのような職業に就いているのでしょうか?
金融業界、マスメディア、商社などさまざまな分野で活躍していますよ。
今回は、経済学部からの就職先で人気の業種や、持っていると有利になる資格について見ていきましょう!
文系の主要学部として、国公立・私立を問わず多くの大学に設置されている経済学部は就職に有利と言われており、就職率は高いとされています。
しかし、一方で経済学部を受講した後、将来のビジョンが見えていないという人も多いです。
「経済学部に入ったものの、就職先で悩んでいる」
「他の人はどんな就職先を探したんだろう」
「やりたいことがないから、就職先を決められない」
ここでは、そんな人のために人気の就職先や、就職にオススメの資格、そして就活を成功させるポイントについてご説明いたします。
経済学部の就職率
一般的に経済学部は就職に有利と言われていますが、実際の就職率はどうなのか気になりますよね。
大学通信オンラインが実施した「2020年学部系統別実就職率ランキング」によると、文系の学部では法学系が87.6% 、人文・外国語系が86.9%であるなか、経営学部の就職率は89.3%と非常に高い傾向ということが分かります。
経済学部の就職率が高い理由
経済学部の就職率が高いと言われる理由には、主に以下の点が考えられます。
- 経済の仕組みを学んでいるため
- 基礎的な世の中の動きを学べるため
- データ分析力など活用できる領域を学べるため
経済の仕組みを学ぶため
経済学部では、マクロとミクロの視点で以下のような経済の仕組みを学べます。
- 社会構造
- 人やモノの関係性、動き
- お金の動き方
お金の流れを通じて、社会や日本の構造まで理解できるのが経済学部です。社会に出てから活かせる知識の領域が非常に幅広いため、就職時に有利になるとされています。
基礎的な世の中の動きを学べるため
経済学部では、国の政策・銀行の役割・企業の仕組み・個人の消費行動などさまざまな領域を学びます。
経済の歴史や考え方についても学習するため、ビジネスシーンで必要な基礎的な経済知識が身についている学生も多くいます。
さらに、経済のグローバル化に合わせて世界各国のタイムリーな経済動向を学べるため、就職後すぐに活かせる知識が多いという点で企業側から高く評価される傾向にあります。
データ分析力など活用できる領域を学べるため
経済学部の学生は、数理統計や統計学といった分野も学習してデータ分析の手法を学ぶこともできます。文系の学部としては珍しく、数字を扱うことも多いのです。
現代では、大量のデータを処理・分析する「ビッグデータ分析」が注目されており、企業は膨大なデータを有効活用して戦略的な意思決定を行うことが求められています。
そのため、経済学的な視点と合わせてデータ分析・課題解決能力が身についていることは、ほかの学部生にはない大きなアピールポイントです。
経済学部からの就職で人気の業種・職種
経済学部の就職率が高いなら、競争率の高い業種や職種でもチャレンジできそうですね!
どのような業種や職種が人気なのでしょうか?
経済学部からの就職先として人気の業種・職種は、次のとおりです。
- 金融業界(銀行・証券・保険)
- 商社
- メーカー
- マスコミ・広告代理店
- 情報通信・IT業界
- コンサルティング業界
- 人材サービス業界
- 公務員(国家・地方)
- 会計事務所・税理士法人
- 経理職
- 企画・マーケティング職
- 営業職
【業種①】金融業界(銀行・証券・保険 )
金融業界は、経済学部の就職先で特に 人気があります。
大学の専攻分野によっては、実務に活かせる可能性も高いため銀行・証券・保険ともに選ぶ学生が多くいます。
なお、金融業界は大手企業が多く就職難易度が高いとされていますが、経済学部であれば学んだ知識をそのまま活かせるため有利になりやすい特徴があります。
税務や不動産といった領域まで学んでいると、更に就職しやすくなるでしょう。
【業種②】商社
商社は 、金融や経済について学んでいる経済学部生から根強い人気があります。
商社系の営業職では、取引の現場で仮説を立てたり経済の知識が必要になるケースも多く、数値に強い経済学部生は即戦力として重宝されやすい傾向があります。
外資系や海外での活躍を視野に入れているのであれば、英語を含めた外国語を身につけておくと、就職活動時さらに有利に働くでしょう。
【業種③】メーカー
メーカーも経済学部の就職先として人気があります。
メーカーといっても、自動車や衣料品・食品など、製造する商品は多岐にわたります。
メーカーでは、特に「企画」や「マーケティング」といった職種は人気が高く、第一志望に選ぶ学生が多いです
企業側も分析が重要な領域では専門知識を持った学生を求めているケースが多いので、就職活動でのPRポイントになります。
なお、メーカーは部門によって求められる知識が異なるため、自分がどの部門で働きたいのかを決めた上で就活に挑むと良いでしょう。
【業種④】マスコミ・広告代理店
マスコミや広告代理店などのメディア関連も人気の業界です。
これらの業界では世界中で起こる出来事やニュース・トレンドに敏感であることが求められるため、市場について学んだ知識を大いに活かせるメリットがあります。
また、マスコミや広告代理店は人々の 購買意欲に影響を与える存在です。企画やマーケティングの知識を活かすなら、最適な業界といえるでしょう。
【業種⑤】情報通信・IT業界
情報通信やIT業界など、インフラに関する業種も人気です。
理系学部生の就職先としてのイメージが強いかもしれませんが、実は経済学部で学んだ領域を活かしやすい業界でもあります。
具体的には、以下のような就職先が挙げられます。
- 携帯電話会社
- コンテンツ制作会社
- ソフトウェア開発会社
また、IT企業は成長が目覚ましい業界なので、新卒からベンチャー企業やスタートアップ企業に就職して、創設メンバーに近いポジションで活躍する人も少なくありません。
【業種⑥】コンサルティング業界
コンサルティング業界も、経済学部の就職先として人気があります。身につけた知識を企業の経営戦略や再建事業に活かせます。
コンサルティングにはITコンサル、財務系コンサルなど様々な事業内容がありますが、経済学部生に人気があるのは経営戦略系のコンサル業界 です。
【業種⑦】人材サービス業界
就職エージェントや人材派遣業界など、人材に関するサービスを提供している業界も人気です。
特に人材マネジメントについて学んでいると、業務に活かせる強みになります。
顧客と求職者の需要バランスに応じてマネジメントを行うため、市場分析や論理的に考える能力に長けている経済学部出身者は活躍しやすいといえるでしょう。
【業種⑧】公務員(国家・地方)
「業界」の区分には含まれませんが、国家・地方を問わず公務員も人気です。
安定しているイメージもさることながら、以下のような仕事で活かすことができます。
- 国税専門官
- 財務専門官
どちらも経済分野のスペシャリストです。
また、地方公務員を目指す場合は試験問題に経済学が必ず出題されます。身につけた知識を活かせる分、経済学部出身の方が内定を取りやすい 傾向にあります。
【業種⑨】会計事務所・税理士法人
こちらも「業界」の区分には含まれませんが、会計事務所や税理士法人も就職先として人気があります。
会計学で学んだ知識を業務に直接活かせる点を魅力に感じる学生が多いようです。
入社のパターンは以下の2種類があります。
- 事務系で就職する
- 公認会計士や税理士の資格を取ってから就職する
事務職であれば資格がなくても就職できますが、士業としてキャリアアップを考えているのであれば資格取得は必須です。できれば学生の間に取得しておくのが望ましいでしょう。
【職種①】経理職
経済学部で学んだ知識を活かすために、業界を問わず経理職を目指す人も多くいます。特に会計について学んでいるのなら即戦力です。
日商簿記検定の資格を取得していれば、更に就職で有利になります。学生の間に2級以上を取得しておくことをおすすめします。
【職種②】企画・マーケティング職
経済学部では、企画やマーケティングの分野も学びます。そうした知識を活かすために企画・マーケティングができる職種を選ぶ人も多くいます。
市場分析に強い経済学部出身者が、特に活躍しやすい分野です。
企業によっては営業を経験してからの配属となる可能性もあるため、応募前に募集要項をチェックしておきましょう。
【職種③】営業職
経済学部の学生は、市場分析などを通じて数字に触れている機会が多いため、高額商品を取り扱う営業職を選ぶ人も多くいます。
例えば、不動産や自動車販売店や保険などの営業職の場合、支払いに関するご相談を承ったり、ローンなどの金融商品の取り扱いもあるので、経済学部で数字に触れている経験を活かすことができます。
学生のうちから、金額などの数字を見る機会が多い経済学部出身者は特に活躍しやすい分野です。
経済学部の学生が就職で有利になるオススメの資格
経済学部の学生は就職で有利といえますが、以下の資格を取っておくと更に高く評価される傾向にあります。
- 日商簿記検定(2級以上)
- ファイナンシャルプランナー(FP)
- TOEIC(600点以上)
- 公認会計士
- 税理士
日商簿記検定(2級以上)
日商簿記検定は、経済学部の学生として就活する際に取っておきたい資格のひとつです。なお、階級には以下の4種類があります。
- 1級
- 2級
- 3級
- 初級
3級までは取得者数が多く、2級以上であれば経理部門の実務で活かせる知識が身につきます。選考で評価されやすいため、2級以上の資格を取っておくことをおすすめします。
ファイナンシャルプランナー(FP)
ファイナンシャルプランナー(FP)は、投資や税金、不動産などお金に関する様々な知識を持っていると証明できる資格です。
特に金融や不動産業界への就職で有利になります。FPに関する資格は主に以下の3種類です。
- ファイナンシャル・プランニング技能検定(FP技能士):国家資格
- AFP:民間資格
- CFP:民間資格
この内、士業と呼ばれるのはFP技能士のみです。人気が高く3級は合格しやすいため、2級以上を目指しましょう。
TOEIC(800点以上)
TOEICも取得しておきたい資格です。グローバルな企業で働くのであれば必須と言えます。
大学受験や留学などの経験である程度の英語力が身についていれば、少しの勉強で600点以上取れるケースも多いでしょう
外資系や海外で働きたいと考えているのなら「800点以上」が目安です。
公認会計士
会計事務所へ就職する場合、公認会計士の資格を取っておくと有利です。
事務所によっては資格保有者のみを採用しているところもあるため、選択肢の幅を広げられます。
公認会計士は2回の試験に合格する必要があり、予備校・スクールにかかる費用も「60〜100万円」と高めです。また、合格して終わりではなく、実務経験2年間と実務補習所における単位取得を経て、修了考査に合格すると資格取得になります。
資格取得に至る最終合格率は「1割程度」と狭き門になっており、非常に難易度が高い資格です。
税理士
税理士になる場合、税理士の資格を取得しておくと就活の際に有利です。
5科目の税理士試験に合格し、実務経験を2年以上積む方法が一般的ですが、その他にも、公認会計士の資格を取得している場合は試験も実務経験も免除されます。
公認会計士の資格を取得していれば所定の研修を受けるだけで資格を取得できますが、通常の最終合格率は1~2割程度といわれているので、やはり難易度は高めです。
経済学部の就職活動で成功するポイント
経済学部に在籍していれば、必ずしも評価されるわけではありません。
就活を成功させるには、以下のポイントを抑えておきましょう。
有利だと思って楽観視していると、こういうところで差を付けられてしまうかもしれないんですね……。
インターンシップに参加する
夏期や秋冬のインターンシップに積極的に参加し、企業で働くイメージを掴んでおきましょう。
実体験に基づいた就職先選びができるようになります。
近年は、インターンシップ参加者には特典をつける企業が増えています。中には優先的に早期選考へ進むケースも。興味のある企業がインターンシップを開催していたら、積極的に参加することをおすすめします。
早期に企業の情報を集めておく
就職活動は、何よりも情報収集が大切です。早めに動くことで、早期内定も夢ではありません。
以下のようなツール・方法を活用して情報を収集していきましょう。
SNSや説明会を通じて他の就活生と交流すれば、情報交換もしやすくなります。より企業の情報を集めやすくなるため、積極的な参加を心がけてください。
経済学部の就職先は学んだ内容を活かせる業界・職種を選ぼう
大学通信オンラインが実施した「2020年学部系統別実就職率ランキング」によると、経済学部の就職率は文系の中でも89.3%と非常に高い水準です。
学んだ内容を活かせる業種・職種であれば、選考の際に評価されやすいでしょう。
経済学部で学ぶ内容は人それぞれ異なります。自分が興味を持って身につけた知識・スキルで活躍できる業界を目指してください。