【地元でお仕事を続けたい】転勤のない仕事のおすすめの選び方

転勤のない仕事の選び方

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Aさん

就職活動中の学生。慣れ親しんだ地元で暮らしたいため、転勤のない仕事に就くことを希望している。

神奈川トヨタ自動車 リクルート室 室長

神奈川トヨタ自動車の採用担当。 数多くの面接を担当するほか、会社説明会・入社後研修など様々な採用シーンで活躍。 就活生の気持ちに寄り添いながらも、採用者目線でアドバイスします。

Aさん

できれば転勤のない職業に就きたいと考えているのですが、ずっと同じ職場で働くことができる仕事にはどのようなものがあるのでしょうか?

リクルート室室長

製造業やIT、医療、教育など、さまざまな分野で転勤のない企業が存在していますよ。

Aさん

そうなんですね!選択肢がたくさんあるのは嬉しいです!

でも、どんな基準でエントリー先を選べばいいのかなぁ…。長く働きたいから慎重に決めたいです。

リクルート室室長

重要なのは、自分のスキルや興味に合わせて適職を見つけることです。

今回は職業や転勤なしの仕事を見つける具体的な方法についても一緒に確認していきましょう。

目次

【業界編】転勤のない仕事

転勤が少ない業界

まずは、比較的転勤が少ない5つの業界から見ていきましょう。

【業界編】転勤がない(少ない)仕事
  • IT業界
  • 地方公務員
  • 出版・マスメディア業界
  • インフラ業界

IT業界

IT業界は、主にパソコンとインターネット環境があれば業務が成り立つため比較的転勤が少ないとされています。

とくに、新型コロナウイルス感染症の流行以降は、従業員に対して在宅ワークやフレックスタイム制を取り入れるなど、柔軟な働き方を採用する企業が増えています。

ただし、すべての企業が転勤の可能性がないわけではありません。遠方の顧客との対面が頻繁に必要なプロジェクトや業務がある場合は転勤を命じられることがあります。

転勤がないかどうかは企業ごとの方針や業務内容によって異なる点を理解しておきましょう。

地方公務員

地方公務員は、自治体ごとの採用となるため、転勤がなく地元で長く働くことができる理想的な職業の一つです。

地方公務員とは都道府県や市町村などの地方自治体に所属する方たちを指し、日本の公務員の約8割が該当します。

仕事内容の例

  • 県庁や市役所の職員
  • 公立学校の職員
  • 消防や警察

主な業務は地域や住民のために生活環境を整え、住みやすいまちづくりを進めることです。

地方公務員になるためには大卒レベルの地方上級試験、もしくは高卒レベルの地方初級試験に合格する必要があります。

出版・マスメディア業界

出版・マスメディア業界は、その多くが都市部に拠点を構えているため転勤が必要なケースが少ないのが特徴です。

出版・マスメディア業界では一拠点の企業も多く、支店がある場合でも転勤先となる支店が少ない企業では、転勤の可能性が低いといえます。

ただし、各地に拠点を持つ新聞社やテレビ局などは例外です。これらの企業では数年おきに転勤が前提となっていることがあるため、募集要項をしっかり確認しておきましょう。

インフラ業界

インフラ業界とは、主に次のような企業が属している業界を指します。

  • 私鉄会社
  • 電力会社
  • ガス会社

これらの企業は、地域に特化したサービスを提供するため転勤の発生が比較的少なくなっています。

たとえば、大手のインフラ系企業であっても事業エリアが首都圏や関西圏など一定の地域に限定されているため、通常の業務を行ううえで転勤が発生する可能性は低いです。

地域社会に密着し、地元で安定して働くことができる点がインフラ業界の魅力の一つといえるでしょう。

ただし、エリア内での転勤や支店間での異動は発生する場合があります。

コンサルティング業界

コンサルティング業界の中でも「日系コンサルティング業界」は比較的転勤が少ない業界の1つです。

コンサルティングは企業の経営上のさまざまな課題に対して解決策を提供し、経営者や経営層の意思決定をサポートする業務です。

日系コンサルティング業界は取引先の多くが大企業であり、オフィスも都市部に集中しています。このため、通常の業務遂行においては遠方への転勤が求められることは少ないといえるでしょう。

ただし、企業によっては案件ごとに駐在や出張が伴う場合もあります。

また、都市部内での異動や東京本社から大阪支社への異動など、都市部間での転勤が発生する可能性はあります。

【職種編】転勤のない仕事

転勤の少ない職種

続いて、比較的転勤が少ない5つの職種に注目してみましょう。

【職種編】転勤のない(少ない)仕事
  • 経理職
  • 事務職
  • 企画職
  • WEBエンジニア
  • 在宅勤務可能な職種

経理職

経理職は仕事の性質上、本社勤務が主流で基本的に転勤がないとされています。

お金の流れを把握しておくことや帳簿の管理など独特な業務が絡むこともあり、担当者変更によるミス発生のリスクを回避するため転勤は少ないのです。

経理職に興味がある方は、日商簿記経理・財務スキル検定(FASS検定)などの資格を取得して専門的なスキルを身につけることがおすすめです。就活の際に有利なことはもちろん、入社後の業務理解を深めることができます。

事務職

事務職は勤務地や業務内容が限定されている「一般職」として募集されることが多く、転勤の可能性は低い傾向があります。

本社や支店での勤務が主体であり、企業内のバックオフィス担当として定型的な業務が中心です。

ただし、「事務系総合職」の場合は転勤の可能性があるため注意しましょう。

事務系総合職とは、総務、人事、経理など複数の業務に携わる職種を指します。この場合、ジョブローテーションの仕組みがある企業では将来的に他の支店や営業所へ異動を命じられることがあります。

<事務系総合職と一般事務の違い>
主な業務特徴
事務系総合職・顧客との関係構築
・業務計画の立案
・働きやすい職場環境の整備など
将来的に、管理職として会社に貢献することに期待される

一般事務・書類作成
・電話対応
・来客対応など
マニュアルに沿った業務をこなすことが多い

企画職

企画職は、商品開発や宣伝・広報 、営業企画などを担当し、企業のサービスやブランディングに深く関与するポジションです。

この職種は顧客や市場のニーズを理解し、それにもとづいて戦略やプランを策定する仕事が多いため、頻繁な転勤は避けられることがあります。

ただし、すべての企画職が、転勤が少ないわけではありません。企業や業界によっても異なるため、採用情報や労働条件を確認しておくことが重要です。

WEBエンジニア

WEBエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションの開発、バックエンドの開発などを担当する職種です。この職種はネットワークを通じて仕事を行うため、通常の業務においては転勤する必要がありません。

遠方の取引先との打ち合わせを行う際は、リモート会議を活用することも多いので、わざわざコストをかけて出張させる企業はほとんどありません。

WEBエンジニアは転勤や遠方へ出張する心配が少なく、リモート会議などを活用することで社外での勤務がほとんどないというメリットがあります。

在宅勤務可能な職種

近年、在宅勤務を取り入れている企業も増えています。

在宅勤務が可能な仕事は多岐にわたり、柔軟性のある働き方を求める求職者にとっても適した選択肢といえるでしょう。

在宅勤務可能な職種の一例

  • ITエンジニア
  • プログラマー
  • デザイナー
  • ライター
  • 事務・経理
  • オペレーター

これらの職種は、オンラインでの業務が主体となるため全国どこにいても働くことができます。

これからの時代、転勤のない働き方や地域に縛られない働き方が求められています。在宅勤務が可能な仕事を検討することで、より自分に合った働き方を見つける手助けになるでしょう。

転勤のない求人を見つける3つのコツ

ここでは、転勤のない求人を見つけるコツを確認していきましょう。

転勤のない求人を見つける3つのコツ
  • 転勤が少ない業界・職種の仕事を探す
  • 地域密着型の企業を狙う
  • エリア限定社員(地域限定正社員)の求人を選ぶ

転勤が少ない業界・職種の仕事を探す

求人を検索する際、転勤を避けたい場合は「業界×職種」の組み合わせで絞り込むことが重要です。

以下に、転勤が少ない業界と職種の例を挙げてみました。

転勤の少ない業界〈例〉

  • IT業界
  • 地方公務員
  • 出版・マスメディア業界
  • インフラ業界
  • コンサルティング業界リスト

転勤の少ない職種〈例〉

  • 経理職
  • 事務職
  • 企画職
  • WEBエンジニア
  • 在宅勤務可能な職種

ただし、企業の方針や求人条件によっては転勤を求められる場合もある点に留意しましょう。

Aさん

逆に、転勤が多くて避けたほうが無難な業界にはどのようなものがありますか?

リクルート室室長

一例を挙げると、金融業界建設業界商社人材業界国家公務員などは転勤が多いので避けたほうが無難といえるでしょう。

Aさん

なるほど。ちなみに、職種では「営業職」が転勤多めですよね?

リクルート室室長

たしかに営業職は比較的転勤が多い職種といえますね。

しかし、どの業界を選ぶかによって転勤の有無は異なります。

たとえば、自動車ディーラーや地方銀行のように、拠点が決まっている企業の営業職であれば県をまたぐ異動が少ないので安心ですよ。

地域密着型の企業を狙う

転勤をしない職に就くためには 、地域に密着したサービスを提供している企業を選ぶことが効果的です。

とくに都道府県をまたいで支社を持たない企業は、取引先が主に県内や周辺エリアに限られるため転勤の可能性がほぼないといえます。

企業を検討する際には支店の有無やエリアを確認し、地域密着度を考慮すると良いでしょう。

リクルート室室長

神奈川トヨタ(屋号:トヨタモビリティ神奈川)は80年以上にわたる歴史ある企業で、多くの経験と実績から地域社会に確かな信頼を築いています。

転勤の心配はなく、自分の生活環境を大切にしながら働くことができるため、安定的なキャリアを築きたい方にはぜひ一度チャレンジしていただきたいです。

エリア限定社員(地域限定正社員)の求人を選ぶ

転勤を避けつつ、地域に根差した働き方を実現するためには「エリア限定社員(地域限定正社員)」の求人を狙うのが一つの方法です。

これは、転勤がある場合でもその範囲が限定されている求人で、たとえば「県内の支店間での転勤はあるが、引っ越しを伴う異動はない」といった具体的な条件が明記されています。

最近では働き方改革の一環として、大手企業でもエリア限定社員制度を採用する動きが見られます。

自分の生活基盤を大切にしながら地域社会に貢献するキャリアを築くことができるので、エリア限定社員の求人を積極的に探してみるのもおすすめです。

転勤のない仕事に就くメリット

転勤のない仕事に就くメリット

転勤のない仕事に就くことで得られるメリットは、主に以下の通りです。

転勤のない仕事に就くメリット
  • 地域に根ざした働き方ができる
  • 長期的なライフプランを立てやすい
  • 引っ越し費用が掛からない

地域に根差した働き方ができる

転勤のない仕事に就くことで、地域に根差した働き方ができるという大きなメリットがあります。

取引先と長く付き合える

転勤がないため、1つの取引先やクライアントとの信頼関係を深め、長期的な取引やプロジェクトに携わることが可能になります。

地元の人脈が増えて仕事がしやすい

同じ地域で働き続けることで地元のビジネスコミュニティや人脈が豊富になり、仕事が円滑に進みやすくなるでしょう。

地域の社会活動に長年参加できる

地域のさまざまな社会活動やイベントに積極的に参加し、地域社会に貢献することができます。これは個人としてだけでなく、企業としても地域との一体感を築くうえで有益です。

一つの土地でじっくりとキャリアを積み、地域社会との結びつきを強めていきたい方にとって、転勤のない仕事は理想的な働き方といえるでしょう。

長期的なライフプランを立てやすい

転勤のない仕事に就くことは、個人の長期的なライフプランを立てやすくする重要な要素です。

なぜなら、会社都合で引っ越しをする必要がないため、結婚や出産、あるいは家を購入するといったライフイベントに対して柔軟な計画が立てやすいからです。

転勤がある仕事でも異動のタイミングや場所について上司や人事と相談できることはありますが、自分の希望通りになるとは限りません。

リクルート室室長

マイホームを購入したあとに転勤が発生した場合は、賃貸物件として活用することも一つの方法です。

ただし、借り手が見つかるかどうかは保証されず、自分の家を他人に預けることになる点を理解しておく必要があります。

引っ越し費用が掛からない

転勤のない仕事に就職するメリットの一つとして、引っ越し費用が発生しないことも挙げられます。

転勤の多い仕事では異動や転居が頻繁に発生するため、その度に数十万円の退去費用や引っ越し業者を手配しなくてはいけません。

また、引っ越しには物理的なストレスだけでなく、新しい環境への順応や生活基盤の再構築など精神面での負担もかかってきます。

転勤のない仕事に就くことでこれらの負担を軽減し、生活の安定性を高めることが期待できるでしょう。

リクルート室室長

一部の企業では引っ越し手当てが支給されることもありますが、その額には上限があることや一部自己負担が求められる場合もあるため注意が必要です。

転勤のない仕事にはデメリットもある

転勤のない仕事のデメリット

転勤のない仕事には、メリットだけではなくデメリットも存在します。

転勤のない仕事に就くデメリット
  • 転勤ありの仕事と比較して給与が少ない傾向にある
  • 職場・仕事内容の変化が少なく飽きてしまうケースもある

転勤ありの仕事と比較して給与が少ない傾向にある

転勤のない仕事は、一般的に転勤ありの仕事と比較して給与が少ない傾向にあります。

通常、転勤がある仕事では「単身赴任手当」「地方勤務手当」などの諸手当があります。これらは、異動や転居に伴う生活の変化による負担の軽減措置として企業が給与に反映しているものです。

また、企業によっては転勤による負担を考慮して高めに給与水準を設定していることもあります。

一方で、転勤がない仕事は引っ越しや単身赴任などの手当が発生しないため、手当が多く出る従業員と比較すると給与面で差が生じやすいです。

転勤のない仕事を選択する際は、給与の水準だけでなくその他の福利厚生についても検討してみると良いでしょう。

職場・仕事内容の変化が少なく飽きてしまうケースもある

転勤のない仕事は、職場環境の変化がないことから、飽きてしまう可能性がある点はデメリットといえます。

このような状況では仕事のモチベーションが低下し、やがて退職してしまうことも考えられます。

とくに新しい環境や変化を好む方にとっては、単調な業務が続くことがストレスになってしまうかもしれません。

Aさん

たしかに毎日同じ仕事の繰り返しだと飽きてしまうかもしれないですね…。

リクルート室室長

昇給・昇格に影響する目標設定面談フィードバック面談があり、具体的な目標に向けて働くことができる企業を選べば、その心配は解消されるかもしれませんよ。

Aさん

なるほど!目標があれば達成に向けて毎日モチベーションを維持できそうです!

リクルート室室長

資格取得支援制度や自己啓発支援制度を採用している企業もあります。

自分の頑張り次第でスキルアップや成長を実感できるので、就職先を選ぶ際にぜひチェックしてみてくださいね。

もし転勤を断ったらどうなるの?

転勤を断るとどうなる?

転勤を断ることは、一般的に降格や処分の対象となります。

企業の人事異動や転勤は就業規則に基づいて実施されるため、正当な理由がないかぎり断ることは難しいでしょう。

就業規則に規定がある場合は基本的に断れない

異動が会社の制度として定義され正しく運用されている限りにおいて、いくら会社都合の転勤辞令だとしても原則社員は拒否できません。

転勤を拒否した場合の処分は企業により異なりますが、懲戒解雇、退職励行、降格処分が例として挙げられます。

懲戒解雇の処分を受けると、「懲戒解雇を受けるほどの重大な問題を起こした」とみなされ、次の就職先が決まるまで難航するリスクが生じます。

また、懲戒解雇ほどの重い処罰にならなくても社内でのキャリアアップが難しくなる点を理解しておきましょう。

状況によっては転勤を断れるケースもある

転勤の辞令は基本的に拒否できないとお伝えしましたが、以下のような場合は断ることができます。

転勤を断わることができるケース
  • エリア限定社員で採用されている場合
  • 就業規則に転勤のことが明記されていない場合
  • 介護や育児などやむを得ない事情がある場合

エリア限定社員で採用されている場合

エリア限定社員枠で採用されていて、あらかじめ規定されている地域以外に転勤を命じられた場合は拒否することができます。

ただし、「限定するエリアをどの範囲にするか」は企業によって異なります。

たとえば、雇用契約内容に「都道府県を異にし、かつ転居を伴う異動をしないものとする。」と書かれていた場合は「都道府県を越えず、引っ越しを伴わない範囲内での異動はあり得る」と解釈できます。

エリア限定社員で働いていて転勤の辞令が出た場合は、辞令内容と雇用契約の内容をしっかり確認することが大切です。

就業規則に転勤のことが明記されていない場合

転勤を命じる前提条件として、就業規則や雇用契約書に明示的な規定が必要です。

もし雇用契約書に転勤命令の定めがない場合、転勤を命じられても従わなくてよいということになります。

転勤を命じられた場合は就業規則と雇用契約書を確認し、自身の権利や義務を理解したうえで冷静に対処しましょう。

介護や育児などやむを得ない事情がある場合

家族にサポートを必要とする人がいたり、転院が難しい病気を持っていたりなどやむを得ない事情がある場合は転勤を拒否できることがあります。

ただし、「やむを得ない事情」の対象になる内容は企業によって異なります。

一般的に以下のようなケースは対象外になることが多いです。

・乳幼児がいる
・親の通院に付き添う必要がある
・家を購入したばかり

事情があり転勤の辞令に応じることが難しい場合は、企業と相談して調整の余地があるかどうか相談してみましょう。

まとめ

転勤のない仕事は安定感や地域社会とのつながりを強化できる反面、転勤がある仕事と比較して給与が低くなりがちな点や、職場環境の変化が少なく飽きる可能性がある点を理解しておく必要があります。

しかし、個人をしっかり評価してくれる目標設定面談があったり、資格取得支援制度などスキルアップを目指せたりする企業を選択すれば、モチベーションを下げることなく充実したキャリアを築いていけるはずです。

理想とする働き方やライフスタイルにマッチした仕事を見つけるために、将来のキャリアプランをしっかりと考えて検討していきましょう。

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