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Aさん
就職活動中の学生。自身に合った仕事を探すために、サマーインターンへの参加を検討している。
神奈川トヨタ自動車 リクルート室 室長
神奈川トヨタ自動車の採用担当。 数多くの面接を担当するほか、会社説明会・入社後研修など様々な採用シーンで活躍。 就活生の気持ちに寄り添いながらも、採用者目線でアドバイスします。
サマーインターンへの参加を検討しているのですが、いつから準備を始めれば良いでしょうか?
サマーインターンが実施されるのは夏頃ですが、準備自体は春頃から始めることが理想です。
夏から動き出すのでは遅いのですね。
インターンシップへ参加するためには、事前に情報収集やエントリー(応募)を行わなければなりません。
更に、企業が選考を行う時間も必要となるので、春頃から動き始めなければ間に合わなくなってしまうのです。
参加するまでに、 やらなければならないことがたくさんありますね。
準備が必要だというとハードルが高いと思われるかもしれませんが、参加方法や流れを把握しておけば、挑戦自体は難しくありません。
サマーインターンへの参加を希望する方のために、スケジュールや選考対策について解説しましょう。
サマーインターンはいつから始まる?
主に大学3年生の夏休み期間中(7~9月頃)に開催されるのが「サマーインターン」です。
2027年卒の場合は、2025年度の夏休みにサマーインターンへ参加することになります。
インターンシップの開始時期は7~9月頃ですが、募集自体は5~6月頃に行われることが多いです。
準備期間も含めると春頃から動き始める必要があるので、参加に関する大まかな流れやスケジュールを頭に入れておきましょう。
エントリーを忘れると参加できなくなってしまうので、スケジュールに遅れがないように行動してください。
サマーインターンの参加方法と流れ
開始時期を把握するだけでは、大まかなスケジュールがイメージできないという方もいるでしょう。
準備から参加までの流れについて、順を追って解説します。
①4~5月:情報収集
サマーインターンの情報公開時期は企業によって異なりますが、毎年4月頃から解禁される傾向にあります。
早い企業は3月頃からサマーインターン関連の情報を公開し始めるので、積極的に情報収集を行いましょう。
企業の公式ホームページはもちろん、就活サイトや大学のキャリアセンターでもプログラムを探すことが可能です。
プログラムの情報を集めながら、エントリーで必要となる「履歴書」や「ES(エントリーシート)」の準備も忘れずに行ってください。
②5~6月前半:エントリー
5月に入ると、いよいよサマーインターンの募集が開始されます。
6月に入ると早々に募集が閉め切られてしまうこともあるので、参加したいプログラムを見つけたら早急にエントリーを行いましょう。
エントリーの際には、履歴書やES(エントリーシート)の提出が求められます。
情報収集の段階で用意していた書類に間違いがないかよく確認した上で提出を行い、選考に備えましょう。
履歴書やESは、企業が初めて学生の情報に触れるタイミングです。
誤字や脱字、内容に間違いがないように、慎重に作成してください。
③6月後半~7月:選考
6月後半になると、サマーインターンの選考が開始されます。
企業によって選考方法は異なりますが、書類選考に加えて筆記試験や面接、適性検査やグループディスカッションが実施されることもあります。
あらかじめ募集要項に選考方法が記載されているので、対策しておくと良いでしょう。
選考が開始される頃には、サマーインターンの日程も確定し始めます。
プログラムにスムーズに参加できるように、事前に日程を調整しておいてください。
④7〜9月:サマーインターンへ参加
選考を通過してプログラム参加者が決まると、夏休み期間に入る頃にサマーインターンが実施されます。
自身の適職を見極めるためにも、プログラムには積極的に参加しましょう。
サマーインターンという名称ではありますが、企業によっては、夏休み期間に入る前にプログラムが開始されることがあります。
事前に日程をチェックして、学校の講義と重複しないようにスケジュールを調整してください。
複数のプログラムに参加したい場合にも、それぞれの開催期間が被らないように調整することが大切です。
サマーインターンに参加するメリット
就職を意識する学生の多くが参加しているのが、サマーインターンです。
サマーインターンに参加することで、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。詳しく解説します。
早めに就活準備が行える
一足先に就活の準備ができるという点が、サマーインターンの大きなメリットです。
プログラム参加前には、自己分析や業界・企業研究といった準備を行いますが、これらは就活でも必要となる作業です。
一足先に本選考にも備えることができるため、その後の就活がスムーズに進められるという点も大きなメリットでしょう。
また、サマーインターンに参加することで、業界や職種に対する理解はもちろん、企業や自分自身への理解も深まります。
自身に適した仕事を見つけたり、自身に合った社風の企業を見つけたりと、将来の働き方を決める大きなきっかけにもなります。
試験や面接の経験が積める
サマーインターンにエントリーすると、就活と同様に、筆記試験や面接が実施されることがあります。
面接に関しては、自宅や学校で練習を重ねても、本番になると失敗してしまうという学生が少なくありません。
就活の前に「本番の雰囲気」を体験できるというのも、サマーインターンに参加するメリットだといえるでしょう。
サマーインターンの選考で筆記試験や面接の空気に慣れておくことで、本選考での失敗を防げる可能性が高くなります。
書類作成や筆記試験、面接といった経験は全て就活に繋がると考えて、サマーインターンの選考でもしっかりと対策を行いましょう。
本選考へと繋がる可能性がある
25年卒(2023年4月)以降、インターンシップは採用活動の一環として認められることになりました。
「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」や「高度専門型インターンシップ」に参加した場合、採用に直結する可能性があるということです。
企業はインターンシップで収集した学生の情報を、採用の際に評価材料にすることがあります。
サマーインターンに参加した学生から早期に内定者が出る可能性があるので、志望する業界や気になる職種があれば、積極的にプログラムへ参加すると良いでしょう。
就活をスムーズに進めるためにも、早い段階から積極的にインターンシップへ参加しましょう。
企業との繋がりを持ち、関係性を深めておくことをおすすめします。
サマーインターンの例【神奈川トヨタ】
例として、神奈川トヨタのサマーインターンをご紹介します。
神奈川トヨタでは、自分の価値観や自己成長を実感するためのインターンシップを開催しています。
参加の流れは、以下の通りです。
①応募フォームよりエントリー
②インターンシップに関する説明
③参加可否のご連絡
④インターンシップへ参加
サマーインターンへは、公式サイトの採用ページからお申込みいただけます。
神奈川トヨタのサマーインターンでは、「社会人になる」ということを見つめ直し、将来のビジョンやぶれない軸を明確にすることで「働く」とはどういうことかを考えることができます。
そのため、自動車業界に興味がない方でも気軽に参加できるほか、就活の軸を見つけたい方、就活について何から始めていいか分からないとお悩みの方にもおすすめです。
就業体験後には、実際に神奈川トヨタで働いていた社員からフィードバックがあるので、将来のビジョンを明確にしたい方は、ぜひご参加ください。
サマーインターンは何社応募する?
サマーインターンへの参加を決めたものの、何社に応募すれば良いのかわからないという方は少なくありません。
志望する業界が決まっている場合と、決まっていない場合の2つのパターンに分けて解説します。
志望する業界が決まっている場合
サマーインターンのプログラムへ応募する前に、まずは志望する業界の研究を行いましょう。
対象とする業界に属する複数の企業の特徴を比較して、自身の学びたいことや体験したいことを実現できそうなプログラムを選択します。
エントリーをしたからといって必ずしも選考に通るとは限らないので、少なくとも2社以上に応募しましょう。
就業体験ができる「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」や「高度専門型インターンシップ」といった長期のプログラムに参加して、サマーインターンでの体験を将来に繋げましょう。
志望する業界が決まっていない場合
志望する業界や企業が決まっていない場合は、まずは興味を持っていることは何か考えましょう。
「自動車業界に興味がある」、「営業職に興味がある」、「様々な人と接する仕事がしたい」といった曖昧な考えでも問題ありません。
説明会に参加したり、就業体験を行ったりすることで、初めて自身に合った仕事に出会えるというケースもあります。
やりたいことがないからサマーインターンへは参加しないという考えでは、せっかくのチャンスを無駄にしてしまいます。
やりたいことを見つけるためにも、複数の短期インターンシップへ応募して、積極的に参加しましょう。
サマーインターンの選考対策
サマーインターンのプログラムに参加するためには選考に通過する必要があります。
選考を通過するには、どのような対策を取れば良いのでしょうか。詳しく解説します。
・自己分析
・業界・企業研究
・書類作成
・筆記試験対策
・面接対策
自己分析
エントリーする前の プログラム選びの段階から必要となるのが、「自己分析」です。
自分自身のスキルや能力について、ご自身では理解しているつもりでも、実は気づけていないことがある場合もあるでしょう。
インターンシップを通して、自身の興味の対象や得意なことを見つめ直すことで、適性がある業種や職種を見つけることができます。
参加したいプログラムを探す段階で自己分析を行っておくことで、その後の書類作成や面接の対策もしやすくなります。
業界・企業研究
エントリーや選考、プログラムへの参加など、どの段階でも必要となるのが「業界研究」と「企業研究」です。
業界や企業について研究を行い、理解を深めることで、自身の働きたい業界や就職したい企業が徐々に明確になります。
また、事前に業界研究や企業研究を行っておくと、選考の際に面接で「なぜこのプログラムに参加したいのか」、「なぜこの業界を志望しているのか」といった質問を受けてもスムーズに答えられます。
サマーインターンのプログラム開始後にも、研究で学んだ業界や企業に関する知識が役に立つはずです。
書類作成
エントリーを行うだけで参加できるプログラムもありますが、就業体験があるような長期のプログラムは選考が行われることがほとんどです。
選考の際には、履歴書やES(エントリーシート)の提出を求められるので、漏れがないようにしっかりと書類作成を行っておきましょう。
必要な書類は、企業が公開している募集要項に記載があるはずです。
自己分析や業界研究・企業研究で得た知識や情報をもとに、サマーインターンへ参加する意欲があることをアピールしましょう。
内容に問題があると選考で不利になってしまうので、可能であれば完成した書類を第三者へ確認してもらいましょう。
筆記試験対策
エントリーを行った後には選考が行われますが、書類提出の他にも筆記試験が実施されることがあります。
出題される問題はそれほど難易度の高いものではありませんが、対策として過去の問題集を1冊は解いておくと良いでしょう。
また、模擬試験や大学のSPI対策講座に参加してみるのもおすすめです。
近年は、筆記試験ではなくwebテストを実施する企業も増えています。
企業が独自に作成した問題が出題されるケースもあるので、OBやOGに知り合いがいれば、経験者から話しを聞いておきましょう。
面接対策
企業によっては、書類選考や筆記試験の他にも、本選考のように面接を実施することがあります。
履歴書やES(エントリーシート)の内容をもとに「自己PR」や「志望動機」について質問されるので、回答できるように練習しておいてください。
面接では、質問に対して明確かつ簡潔に答えることが大切です。
話すスピードや目線、表情といった表現方法にも注意しましょう。
自分一人では客観視することが難しい場合には、身近な人に手伝ってもらって、実際の面接形式で練習を重ねておいてください。
面接では、完璧に答えるよりも「自身の人柄」や「仕事に対する熱意」を伝えることが大切です。
模範的な回答を暗記するのではなく、自分自身の言葉で答えられるように準備しておくと良いでしょう。
サマーインターンを成功させる5つのポイント
志望する業界でのサマーインターンに参加する機会を得ても、就活に上手く繋げられないこともあります。
事前にサマーインターンを成功させるポイントを押さえておいて、チャンスを最大限活かしましょう。
①参加する目標を決めておく
②書類提出に慣れておく
③ビジネスマナーを予習しておく
④社員とコミュニケーションを図る
⑤終了後には振り返りを行う
①参加する目標を決めておく
サマーインターンでの経験を有意義なものにするためにも、事前に目標を設定しておきましょう。
目的がないままプログラムに参加すると、せっかく機会に恵まれても得られるものがなくなってしまいます。
「何を知りたいのか」、「何を学びたいのか」具体的に目的を設定して、自己成長を目指すことが大切です。
明確な目標を持って選考に臨むことで、企業に熱意が伝わりやすくなります。
また、プログラムに対する自身のモチベーションも向上するでしょう。
②書類提出に慣れておく
サマーインターンを本選考の評価に加えたり、サマーインターンの段階で内定者を出したりする企業が増えています。
エントリーの際に提出する書類は、本選考と同様の基準で審査される可能性があるので、本選考のつもりで作成しましょう。
自己PRや志望動機など、本選考と同じように書類を作成することで、就活の際にも役に立ちます。
サマーインターンが開催されるタイミングはまだ時間に余裕があるはずなので、今のうちに書類作成に慣れておくと良いでしょう。
③ビジネスマナーを予習しておく
サマーインターンでは、実際に企業で働いている社員と接することになります。
プログラムによっては、就業体験としてお客様対応などの実務に近い内容をおこなうこともあります。
そういった場合でも自信をもって対応できるよう、清潔感のある服装や丁寧な言葉遣いなど、基本的なマナーを身につけておく方が良いでしょう。
完璧にマスターしておく必要はありませんが、ビジネスマナーに関する書籍を読んだり、インターネット等で検索したりして、基本的なマナーについて予習しておくことがおすすめです。
就活の準備をスムーズに進めるためにも、サマーインターンの段階から準備しておくと安心です。
④社員とコミュニケーションを図る
サマーインターンの期間中には、社員とコミュニケーションを図れる機会がたくさんあります。
社員は業界や業務、企業に関する情報を教えてくれるうえに、就活に関しても先輩にあたります。
サマーインターンを有意義なものにするためにも、社員と積極的にコミュニケーションを図りましょう。
「仕事のやりがい」や「社会人1年目で大変だったこと」、「就活の段階で行っておいて良かったこと」など、面接で聞きにくいことなど気になる質問をしてみるのも良いでしょう。
業務に支障がないように配慮することも大切ですが、休憩時間やブレイクタイムなどの交流時間を活用して積極的に質問してください。
⑤終了後には振り返りを行う
インターンシップは、参加後にも行うべきことがあります。
サマーインターンで得た知識やスキルを今後に活かすためにも、終了後には必ず振り返りを行いましょう。
プログラムに参加した経験は、自己成長や就活に繋がります。
体験した内容を鮮明に覚えているうちに、学びや気付きをアウトプットすることが大切です。
スマートフォンやパソコンにメモを取ったり、ノートに書き出したりと独自の方法で構わないので、プログラムで学んだことを復習するつもりで振り返りを行ってください。
まとめ
夏に開始されるサマーインターンに参加するためには、春頃には準備を開始しておく必要があります。
志望業界で開催されるプログラムに参加するためにも、余裕を持って準備を行いましょう。
就業体験が行えるというチャンスを活かして、自身に合った業界や企業を見つけることが大切です。
サマーインターンで得た知識や経験をもとに、理想とする社会人生活を実現しましょう。