義務化に対応!アルコールチェックの正しい実施方法を徹底解説

2023年からアルコールチェックには、アルコール検知器を用いて行うことが義務付けられています。

対象になる事業者や複数の社用車を管理している事業者の中には、チェック方法に不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はアルコールチェックの正しい実施方法を解説します。

正しいアルコールチェックの実施方法

アルコールチェックに関する道路交通法の改正は2回に分けて行われました。

正しいアルコールチェックの実施方法をそれぞれ解説していきます。

令和4年(2022年)4月1日施行

令和4年(2022年)4月1日に施行された道路交通法の改正 は以下のとおりです。

  • 運転前後の運転者の状態を目視等で確認することにより、運転者の酒気帯びの有無を確認すること
  • 酒気帯びの有無について記録し、記録を1年間保存すること

確認や記録は、一定台数以上の自動車の使用者に選定が義務付けられている、安全運転管理者の業務です。

アルコールチェックはいつする?

アルコールチェックは「運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者」について行うことになっています。

運転者によっては、午前に営業に出て一度帰社し、午後もう一度営業先に出向くという場合もあるでしょう。

アルコールチェックは、1日うちの運転業務ごとにしなければならないという訳ではありません。

運転を含む業務の開始前(出勤時)と終了後(退社時)に行えばよいとされています。

目視で確認とは

「目視等で確認」とは運転者の顔色、呼気の臭い、応答の声の調子などを確認することです。

目視とありますが、顔色のチェックの他、アルコールの臭いがしないかどうかや、目線、話し方など、酒気帯びの可能性がないことを嗅覚や聴覚も活用しながら判断します。

記録する項目

記録をとる項目は以下のとおりです。

酒気帯び確認の内容の記録

  • 確認者名
  • 運転者
  • 運転者の業務に係る自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
  • 確認の日時
  • 確認の方法(対面でない場合は具体的方法等)
  • 酒気帯びの有無
  • 指示事項
  • その他必要な事項

引用:警視庁「安全運転管理者による運転者に対する点呼等の実施及び酒気帯び確認等について(通達)」

紙に記録する、データにするなど、安全運転管理者それぞれが記録と管理をしやすいように実施してください。

令和5年(2023年)12月1日施行

令和5年(2023年)12月1日からは、以下の項目が追加となりました。

  • 運転者の酒気帯びの有無の確認をアルコール検知器を用いて行うこと
  • アルコール検知器を常時有効に保持すること

アルコール検知器とは

アルコール検知器は、呼気中のアルコールを検知して、アルコールの有無や濃度を警告音、警告灯、数値等で示す機器です。

アルコール検知器に息を吹きかけることで測定できます。

アルコール検知器のメリット

アルコール検知器導入のメリットはアルコールの有無を数値で可視化できることです。

アルコール検知器が義務付けられる前は、運転者が直行直帰するなどの安全管理者が対面での目視確認ができない場合には、カメラやモニターを使って顔色や応答をチェックすることになっていました。

アルコール検知器を併用することで、人による判断のばらつきを軽減でき、より正確にアルコールチェックができるため、リスクマネジメントがしやすくなりました。

アルコール検知器は常時有効に!

アルコール検知器は、正常に作動しなければ意味がありません。

適切な使用と管理を徹底すると同時に、定期的に点検し、故障がない状態を保ちましょう。

アルコールチェックの基準

具体的に酒気帯び運転となる基準となる数値はどのくらいなのでしょうか。

警視庁では以下の2つの基準を定めています。

  • 呼気中アルコール濃度0.15mg/l 以上 0.25mg/l 未満
     基礎点数 13点
     免許停止 期間90日(前歴及びその他の累積点数がない場合)
  • 呼気中アルコール濃度0.25mg/l以上
     基礎点数 25点
     免許取消し 欠格期間2年(前歴及びその他の累積点数がない場合)

引用:警視庁 みんなで守る「飲酒運転を絶対にしない、させない」

呼気中アルコール濃度0.25mg/l以上での酒気帯び運転では、最短でも2年間運転免許を取得できなくなります。

仕事上や日常生活においても大きなダメージとなることでしょう。

さらに酒気帯び運転では、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 も課せられます。

酒気帯び運転は違反なだけでなく、人命にも関わりかねない危険な行為です。

呼気中アルコール濃度0.15mg/l 以下であっても、判断能力に影響が出る可能性もあるため、運転する時には少量でも飲まない、飲んだ場合は運転しないことを徹底しましょう。

アルコール検知器の選び方

アルコール検知器の導入にあたり、選び方のポイントを解説します。

操作が簡単で使いやすいもの

アルコール検知器は誰にでも使いやすいものがおすすめです。

簡単に正しく測定できることで、運転者の負担も安全運転管理者の負担も軽減できます。

安価なモデルの場合、導入コストを抑えることができますが、製品によってはアルコール以外でも匂いの強いものに反応してしまうケースもあります。

導入する際は、アルコール以外にほぼ反応しない高精度なセンサーを備えたものや、測定時間が短いものを選ぶのがおすすめです。

手間取ることのない短時間での操作は、業務の効率化にもつながります。

車両使用時の勤務体系に合わせて測定できるものを選ぶ

アルコール検知器には事業所に据置で使用するタイプと持ち運びができるタイプがあるため、車両使用時の勤務体系に合わせた測定ができる機器を選ぶことが大切です。

アルコール検知器の中には、計測したデータを電子データとしてクラウド管理できるものがあります。

クラウド管理ができる場合、安全運転管理者が個々の運転者のデータをリアルタイムに確認することができ、効率的に管理できます。

測定時の顔写真なども記録でき、運転者によるデータ書き換えができないので不正防止にも効果的です。

直行直帰など遠隔地でアルコールチェックをする場合や、深夜や早朝に勤務する従業員がいる場合にも有効です。

適正なアルコールチェックの実施はリスクマネジメントの要!

今回はアルコールチェックの実施方法について詳しく解説しました。

今回の内容を参考に安全な社用車の運用を行ってください。

この記事を読んだあなたにおすすめ

罰則もある?社用車のアルコールチェック義務化について解説!

お問い合わせCONTACT