2025.10.01
PHEV導入企業必見!充電設備の選び方と導入メリット
近年、環境への配慮や燃料コスト削減を目的に、法人でのプラグインハイブリッド車(PHEV)の導入が進んでいます。
ガソリンと電気の両方で走行可能なPHEVは、近距離など普段の走行はBEV(電気自動車)同様にガソリンを使わず電気で走行することができます。
充電を使い切った場合はガソリンでハイブリッド走行が可能なため、BEVと比べると航続距離や電池切れの不安が少なく、ガソリン車よりも環境負荷を低減できる点が魅力です。
PHEVの性能を最大限に引き出すためには、日々の充電環境を整えることが重要です。
社内に充電設備を整えることで、運用効率や利便性が大きく向上します。
今回は、法人がPHEV導入時に充電設備を設置するメリットと、設備選びのポイントを詳しく解説します。
充電設備を設置する法人側のメリット

充電設備を設置すると「運用の効率化」「燃料コストの削減」「企業価値の向上」「災害時のBCP(事業継続計画)対策」の面でメリットが得られます。
それぞれの効果は以下のとおりです。
運用の効率化
社用車としてPHEVを導入する場合、業務終了後に会社で充電できれば、効率的にEV走行が可能です。
外部の充電スポットを探す必要がないほか、充電にかかる時間を待つ必要がないため、業務時間を効率的に使えます。
特に営業車や配送車など日常的に走行距離が長い車両では、この効果が顕著です。
燃料コストの削減
充電を社内で行えば、電気料金の契約を工夫することでガソリン代よりも安価に走行エネルギーを確保できます。
夜間の安い電力を利用する「時間帯別料金契約」を活用すれば、さらにコスト削減が可能です。
企業価値の向上
充電設備の設置は、環境への取り組みを示す象徴にもなります。
CO₂排出削減や再生可能エネルギー活用とあわせて発信することで、CSR(企業の社会的責任)やESG経営の一環として評価され、取引先や顧客からの信頼向上につながります。
災害時のBCP(事業継続計画)対策
PHEVは給電機能を活用すれば、万が一の災害時や停電時に車を電源として、照明やパソコンなどの通信機器、暖房器具などの電化製品を動かすことができます。
例えば、プリウスのPHEVであれば、満充電・ガソリン満タン/消費電力400W時で、約5.5日の電力供給時間があります。
緊急時のバッテリー確保も容易になり、事業継続力を高められます。
充電設備の種類と特徴
充電設備には大きく分けて「普通充電器」と「急速充電器」があります。
用途や設置環境に合わせて選ぶことが重要です。
それぞれの特徴と適した利用シーンを解説します。
普通充電器(AC充電)

普通充電器(AC充電) は出力が3kW〜6kW程度で、PHEVならおよそ2〜5時間ほどで満充電が可能です。
機器価格が比較的安価で設置工事も容易なため導入しやすく、夜間にゆっくりと充電するスタイルに最適です。
特に営業車や社用車として導入する場合、夜間に充電する運用も現実的で、定置利用がメインの車両におすすめできます。
急速充電器(DC充電)

急速充電器(DC充電) は20kW〜50kW以上の出力を持ち、PHEVであれば30分〜1時間程度で約80%まで充電できるのが大きな特徴です。
短時間でエネルギーを補給できるため、車両が頻繁に入れ替わる現場や、充電に時間をかけられない業務には非常に有効です。
ただし、普通充電器に比べて機器そのものの価格や工事費用が高額であることに加え、電力契約容量を増設する必要が生じるケースもあります。
そのため、複数人で車両を共有する場合など、車両を絶えず稼働させる業態に向いています。
設置前に検討すべきポイント

充電設備を設置する前に検討すべきポイントをまとめました。
車両台数と運用パターン
充電設備の必要数は、保有するPHEVの台数と使用スケジュールによって変わります。
夜間にまとめて充電できる場合は普通充電器で台数分を用意し、日中も充電が必要な場合は急速充電器を組み合わせると効率的です。
設置場所の条件
駐車場のレイアウトや電源の引き込み位置を考慮する必要があります。
屋外設置の場合は防水・防塵性能(IP44以上推奨)が求められます。
電力契約と容量
充電器の出力分だけ契約電力が増加するため、既存契約で足りるかを確認し、不足する場合は電力会社と容量増設を相談しましょう。
ピーク電力を抑えるための「充電制御システム」導入の検討もおすすめです。
補助金の活用
国や自治体では、充電設備設置に対して補助金を提供している場合があります。
補助率は1/2〜2/3程度が多く、年度ごとに内容が変わるため、最新情報を確認してください。
設備選びの実践例

実際に充電設備を選ぶ際には、企業や施設の利用形態に合わせた最適な組み合わせを検討することが重要です。
例えば、営業拠点を持つ企業の場合、複数台の車両を夜間に一斉に充電する必要があります。
そのため、3kWまたは6kWの普通充電器を台数分設置し、業務が始まる朝までに十分に充電を完了させる形が一般的です。
日中の急速充電は不要で、コストを抑えながら効率的な運用が可能になります。
一方、物流や配送の拠点では事情が異なります。
短時間で充電を済ませてすぐに次の配送に出発しなければならないため、急速充電器をメインに据えることが求められるからです。
その場合でも、予備的な役割として普通充電器も併設しておくことで、車両の稼働状況や緊急時にも柔軟に対応でき安心です。
さらに、宿泊施設や観光業では利用者へのサービス提供という視点が加わります。
ホテルや観光施設の駐車場に普通充電器を複数設置することで、利用者が滞在中に安心して車の充電を完了できる環境を整備できます。
これは利便性の向上にとどまらず、環境への配慮を積極的にアピールできる取り組みとして、施設のブランドイメージ向上にもつながるでしょう。
充電設備の整備はPHEV運用のカギ

PHEVの導入は、企業にとって環境貢献・燃料コスト削減・事業継続性向上といった多くのメリットをもたらします。
その価値を最大限に活かすためには、日々の運用を支える充電設備の整備が欠かせません。
普通充電器と急速充電器、それぞれの特徴を理解し、車両台数・運用方法・電力契約などを総合的に考慮したうえで選定すれば、効率的で持続可能なPHEV運用が実現します。
補助金や税制優遇も活用しながら、企業にとって最適な充電環境を整えてください。
▼この記事を読んだあなたにおすすめ
役員車におすすめ!アルファード・ヴェルファイアPHEVの魅力
