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Aさん
自分に向いている業種を探している就活生。営業職に興味があり、どのようなスキルが求められるのか気になっている。
神奈川トヨタ自動車 リクルート室 室長
神奈川トヨタ自動車の採用担当。 数多くの面接を担当するほか、会社説明会・入社後研修など様々な採用シーンで活躍。 就活生の気持ちに寄り添いながらも、採用者目線でアドバイスします。
営業職を志望しているのですが、自己PRを上手く作成するコツは何でしょうか?
自己PRでは、自分は企業 が求めている人材であるとアピールすることが大切です。
自分の得意なことではいけないのでしょうか?
もちろん、得意なことで構いません。
しかし、営業職に関係のあることをアピールするのが望ましいです。
確かに、関係のないことをアピールしても意味がありませんね。
自己PRでは「自身が何を伝えたいのか」に加えて「企業が何を求めているのか」を理解しておく必要があります。
企業から「採用したい人材である」と思われることが大切なんですね。
その通りです。
営業職に求められるスキルや、自己PRの書き方について詳しく解説しましょう。
営業職を希望するうえで自己PRが求められる理由
新卒の方が就職活動を行う上で、自己PRは避けられない課題です。
苦手意識を持っているという方も、企業へ自身の魅力をアピールするチャンスだと前向きに考えて、自己PRを最大限活用しましょう。
企業が自己PRに注目する理由は、自己PRを通じて、その人の人柄や強みをみることで「自社に貢献してくれる人材であるか」「自社のビジョンにマッチしている人材であるか」を見極めることができるからです。
学歴や肩書きも大切ですが、仲間と同じ目標に向かって努力できるか否かは、その人の人柄にかかっています。
また、営業職を希望していたとしても、その人の強みが営業職に適していなければ採用されない可能性があります。
企業にとって必要な人材であると判断してもらうためにも、自己PRを活用して自身の魅力を伝えましょう。
営業職で求められるスキル
そもそも営業職には、どのようなスキルが求められるのでしょうか。
的確に自己PRを行うためにも、営業職に求められるスキルを把握しておきましょう。
・コミュニケーション能力
・課題を発見&解決する分析能力
・粘り強さ&忍耐強さ
・自身の能力を高める向上心
・結果に繋げる交渉力
コミュニケーション能力
人と話す機会の多い営業職では、まず「コミュニケーション能力」が求められます。
営業職に憧れているものの、人に積極的に話しかけるのは苦手だという方もいるのではないでしょうか。
営業職のコミュニケーションにおいては、話す力に加えて「聞く力」も大切です。
相手の潜在的なニーズを把握するためにも、自ら話すスキル以上に、顧客の話しに耳を傾ける力が必要とされています。
話しが上手いだけでなく、「聞き上手」であるという点も強みとなるので、自己PRでしっかりと伝えましょう。
課題を発見・解決する分析能力
営業職には、顧客との会話から課題を見つけ出し、解決策を導き出す分析能力が求められます。
ビジネスシーンでは、「課題は分かっていても具体的にどのような商材やサービスが必要なのか分からない」といった場面が多くあります。
そのようなシーンで、顧客データや競合情報などから、高い分析能力を活かすことができます。
課題解決能力に自信がある、論理的に考えることが得意だという方は、自己PRに加えると良いでしょう。
粘り強さ・忍耐強さ
営業職には、目標やノルマが課されていることが多く、達成するためには「粘り強さや忍耐強さ」も求められます。
目標を達成するためには、数多くの顧客と接することや、地道にコツコツと営業活動を続けることが重要です。
また、すぐに成果が出ない場合でも粘り強くアプローチし、忍耐強く営業活動を続けていくことも大切でしょう。
顧客のことを考えず、しつこくアプローチすることは逆効果になってしまいますが、うまく視点を切り替えながらも継続していくことで、成果に繋がることも多くあります。
部活や学業などで成功体験があれば、「粘り強さ」や「忍耐強さ」もアピールすると良いでしょう。
自身の能力を高める向上心
扱う商材やサービスの知識が求められる営業職には、「向上心」も大切です。
自社の商材やサービスに関する知識がなければ、顧客におすすめしたり、顧客からの質問に答えたりすることが難しくなります。
また、自分なりの営業戦略を練ったり、競合他社の商品との違いを説明したりするためにも、学び続ける姿勢が重要です。
営業職を志望する場合は、自身の能力を高めようと努力する「向上心」や、一つのことを徹底的に学べる「勉強熱心」であるという点をアピールしてください。
結果に繋げる交渉力
営業職にとって大切なのは、目標やノルマを達成することです。
そのため、商品やサービスを紹介するだけでなく、購入や契約という結果に繋げる交渉力も求められます。
交渉と聞くと難しいと感じられるかもしれませんが、大切なのは顧客の目線に立ってアピールすることです。
「自社の製品を買ってほしい」という自己都合ではなく、「自社の製品を買うとこんなにいいことがある」というメリットを相手に伝えると、顧客からの信頼を得ることができます。
顧客と自社、双方が得をできる状況に運べる「交渉力」もまた、営業職に必要なスキルだといえるでしょう。
営業に必要なスキルはわかりましたが、そもそもどのような仕事を行うのかイメージが湧きません。
それでは、弊社トヨタモビリティ神奈川を例に営業の仕事内容をみてみましょう。
営業職の大きな役割は、直接お客様と接して、新車のご提案や定期点検・車検のご案内を行うことです。
また、購入の際の保険加入手続きや、購入後の楽しみ方をご提案することもあります。
車を売ること以外にも様々な仕事があるんですね。
自社の商材やサービスをご提案して買ってもらうことも大切ですが、営業の役割はそれだけではありません。
購入後にもお客様に満足いただけるようサポートを行うのも、営業の大切な役割だといえます。
大変な仕事ではあるけれど、やりがいもたくさんありそうです。
その通りです。
誰よりも一番近い場所で接することで、お客様の笑顔を間近に見られるという点も営業職の大きな魅力だといえるでしょう。
【自己PRの書き方】作成の流れ
営業職を目指すために自己PRを考えたいものの、何から手をつければ良いのかわからないという方もいるでしょう。
自己PR作成の流れをご紹介します。
①志望する企業の営業の種類を把握する
メーカーや商社、代理店など、一口に営業職といっても様々な種類が存在します。
営業の種類によって自己PRの作成方法は変わるため、まずは志望する企業の営業の種類や特徴を把握する必要があります。
営業の種類を把握した上で、企業はどのような人材を求めているのか考えることが大切です。
②自身の強みをリストアップする
自己PRを作成する前に、まずは自身の強みをリストアップしてみましょう。
営業職に相応しい人材であると、志望する企業にアピールできるような強みを選ぶ必要があります。
学業や部活、ボランティア活動など、これまでの経験を通して自身の強みだと思えるポイントをリストアップしてください。
「気配りができる」、「計画性がある」など、見落としてしまいがちなアピールポイントもたくさんあります。
自身の強みがわからないという方は、家族や先生、友人など身近な人に尋ねてみると良いでしょう。
③強みを活かせたエピソードを整理する
アピールできる強みが見つかったら、次に関連するエピソードを整理しましょう。
「コミュニケーション能力がある」、「分析能力がある」など、自己PRに複数の強みを詰め込んでしまうと、強みが伝わりにくくなってしまうため、その中でも特に伝えたい1つに絞ることがおすすめです。
アピールする強みが決まったら、具体的に「どのようなシーンで」「どのような行動を起こしたことで」「どのような結果を残せたのか」を分かりやすく整理しましょう。
自己PRには、説得力のある印象的なエピソードを組み込むことで説得力をもたせることができます。
④営業職で強みをどのように活かせるか考える
単に自身の強みを伝えるだけが、自己PRの目的ではありません。
企業にとって採用したい人材であることをアピールする必要があります。
自己PRでは、入社後に強みを活かして「どのように企業に貢献していくのか」を伝えることが大切です。
しっかりと企業研究を行い、志望する企業に合った強みの活かし方を考えて、営業職として活躍できることをアピールしましょう。
【自己PRの書き方】作成のポイント
自身の強みを伝えるためには、具体的にどのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。
自己PR作成の際に知っておきたいポイントをいくつかご紹介します。
・結論から書く
・誰が見てもわかる方法で成果を示す
・企業に貢献する意思を示す
結論から書く
採用担当者の印象に残る自己PRを作成するためには、「結論から書く」ことが大切です。
最初にアピールしたいことを簡潔に記すことで、何について話したいのかが明確になり、内容が伝わりやすくなります。
結論を後回しにした書き方をしてしまうと、採用担当者に伝えたいことがうまく伝わらない可能性もあります。
「私の強みは、○○です」といった具合に、一行で簡潔に伝えることで、強みを明確にアピールできます。
誰が見てもわかる方法で成果を示す
過去の体験の中で得た成果は、誰が見てもわかりやすい方法で示しましょう。
例えば、アルバイトでの活躍をアピールしたい場合、単に「売上がアップしました」と示すよりも、「売上が前年比で10%アップしました」と、具体的な数字や成果で示した方が伝わりやすくなります。
自身の活躍をアピールする際は、期間や頻度、割合や金額など、具体的な数字を使って、客観的に分かりやすく伝えましょう。
企業に貢献する意思を示す
採用担当者から自社に必要な人材だと思ってもらうためには、「企業に貢献する意思を示す」必要があります。
単に自身の強みをアピールするだけでなく、入社後にどのように活躍したいのかの意思表示をしましょう。
自身の強みを活かしてどのように貢献したいのか、どのような目標を持って入社を希望しているのか、具体的に記すことが大切です。
自己PRに入社後のイメージを組み込むことで、採用担当者の期待も高まります。
実際にどのような活躍ができるのかは、入社してみなければわかりません。
企業に貢献する意思を示したい場合には、本当に実行できるか否かではなく、貢献したいという「熱意」を伝えることが大切です。
【自己PRの書き方】作成の注意点
自己PRには、NGとなる避けるべき書き方も存在します。
正しい作成方法だけでなく、誤った作成方法についても把握しておきましょう。
・営業職に適していない強みをアピールする
・肩書きだけをアピールする
・具体的なエピソードがない
営業職に適していない強みをアピールする
自己PRでアピールできる強みはたくさんありますが、営業職を目指すのであれば「営業職に適した強み」を示すことが大切です。
例えば、書類作成やデータ入力、備品管理が得意といった強みは事務職であればアピールポイントとなりますが、営業職の場合は他のアピールポイントの方が効果的です。
営業職では、一人で黙々と集中する作業を得意とするという点よりも、 「チームワーク」をアピールした方がより良い印象を残せるでしょう。
自身の強みの中から、営業職で活躍できるようなアピールポイントを探してください。
肩書きだけをアピールする
「アルバイトでバイトリーダーを務めた」、「部活で部長を務めた」といった肩書きも立派なアピールポイントとなりますが、それだけでは不十分でしょう。
肩書きを示す際には、どのように考えて、どのように行動したのか、その結果どのような貢献をしたのか、具体的な内容を添えるようにしましょう。
肩書きさえ示せばアピールになると考えている方もいるかもしれませんが、企業が知りたいのは「どのような活躍をしたのか」です。
自身の強みをどのように活かしたのか、どのような結果が得られたのか、経緯や過程を記すことを忘れないように注意してください。
具体的なエピソードがない
自身について何も知らない採用担当者に「私の強みは○○です」と伝えても、信憑性に欠けます。
採用担当者に信用してもらうためには、強みの証拠となる具体的なエピソードを添えることが大切です。
エピソードの内容が詳細であるほど、信憑性が増して自身の活躍が伝わりやすくなります。
また、複数の強みを沢山アピールするよりも、エピソードを添えて一つの強みを伝えた方が、採用担当者の印象に残りやすくなるでしょう。
自己PRを作成する際には、自信のあるアピールポイントを一つに決めて、具体的なエピソードを添えてください。
【自己PRの書き方】例文紹介
どのような自己PRを作成すれば良いのか、イメージが湧かないという方もいるでしょう。
最後に、例文をいくつかご紹介します。これから自己PRを作成するという方は、ぜひ参考にしてください。
例文①:コミュニケーション能力をアピール
私の強みは、コミュニケーション能力を活かした関係構築力だと自負しております。
学生時代はコーラス部で部長を務めており、私が部長に就任したての頃は部内で経験の差が大きいことからチームワークもあまり良くなく、思うように結果が出ない日々が続いていました。
そんな中でも、経験の浅い部員とも積極的にコミュニケーションをとり、課題や練習メニューのサポートなどを行いながら、部内の関係が良くなるよう努めました。
地道にコミュニケーションを取り続けた結果、経験の浅い部員も積極的に練習に参加するようになっただけでなく、周りの部員たちもサポートしてくれるようになり、部内全体の士気が高まったことで、最終的にはコンクールで金賞をとることができました。
このことから、年齢や考え方、スキルが異なっていたとしても、相手の意見に耳を傾け、そして尊重しながら コミュニケーションをとることができれば、円滑な人間関係を築くことができると学びました。
貴社に入社できた際にも、周りとコミュニケーションをとりながら一丸となって目標達成できるよう努めていきます。
例文②:分析能力をアピール
私は分析能力を活かして、目標達成のために行動することが得意です。
大学時代は、語学習得に力を入れており、在学中に3か国語を取得することができましした。
入学したての頃は、学習時間を十分に確保しているにも関わらず成績が振るわず、頭を悩ませていました。
学習方法を見直し、時間の使い方に問題があると気付いた私は、集中力が切れやすい夕方以降の時間帯は動画を用いた学習に切り替えました。
学習方法を切り替えることで、より効率的に学べるほか、楽しみながら学習することができ、その結果TOEICでは○○点を取得することができました。
貴社へ入社した際にも、顧客へのアプローチを行う際には、自身の分析能力を活用して売り上げに貢献したいです。
例文③:粘り強さ・忍耐強さをアピール
私の強みは、目標を達成するまで諦めない粘り強さと忍耐強さです。
大学時代には、週に一回、河川敷のゴミ拾いのボランティアに参加していました。
初めは想定よりもゴミの量が多く、またゴミ拾いをしても新たなゴミが増えることから、思うように綺麗にならず、途方に暮れていました。
しかし、効率良くゴミ拾いが行えるようエリア分けして作業を進め、新たなゴミが増えない環境づくりのために、雑草取りなども同時におこないながら、毎週末粘り強く作業を続けたところ、1年をかけて元の美しい姿に戻すことができたのです。
ボランティアに参加した経験から、計画的に忍耐強く作業を続けることで、困難な状況を打破できると学びました。
貴社へ入社した際には、持ち前の粘り強さと忍耐強さを活かして、モチベーションを維持しながら目標に向かって努力し続けたいと考えております。
まとめ
就職活動は、テストや試験のように明確な答えがないため、自己PRの作成に苦手意識を抱いている方は少なくありません。
自己PRは、自身の魅力を企業にアピールできるチャンスです。
自身を採用することは企業にとってメリットであるということを、簡潔かつスマートにまとめてください。
自己PRには、営業職に適しているといえる強みや、自身の強みを活かしたエピソードを記載することが大切です。
志望する企業へこれまでの成功体験を伝えて、憧れの営業職を目指しましょう。