記事に登場するキャラクター
Bさん
理系大学を卒業予定の男子学生だが、文系企業への就職も視野に入れている。
神奈川トヨタ自動車 リクルート室 室員
神奈川トヨタ自動車の採用担当。トヨタモビリティ神奈川で営業職を経験したのち、採用担当へ。 現場経験を活かし、より”リアルなノウハウ”で就活生をサポートします。
自分は理系なので、文系企業に応募するのは不利ですよね。
論文の提出とか研究ばかりで、就職活動期間もあまり確保できないですし…。
そんなことはありませんよ!
むしろ、理系ならではのメリットを活かせば、有利に就職するチャンスが生まれます。
理系ならではのメリット…?
文系の企業でも大学で学んだことを活かせるんですか?
そうです!
今回は、理系の方が文系企業へ就職するメリットや、おすすめの業界・職種についてご紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
理系就職と文系就職の違い
理系を専攻した学生の就職スタイルは、専攻分野に関連する業種で働く「理系就職」か、営業職や商社といった非専門分野の職業に就く「文系就職」にわかれます。
ここでは、この2つについて、もう少し具体的に解説していきます。
理系就職
理系就職とは、上述したように大学で学んできた専門分野と関連のある業界・業種で技術職や開発職に就くことです。
自身の専門分野を活かせるので、即戦力としてアピールでき、内定獲得率を高められます。
また、大学院に進学して専門性をさらに高めることによって、求人倍率が高い大手企業から内定をもらえる確率も高まり、大学によっては推薦応募が用意されているので内定をもらいやすいのが特徴です。
文系就職
文系就職とは、文系の人が多く応募する就職に就くことを指し、主に以下の業種があります。
- 営業職
- 企画職
- マーケティング職
- クリエイティブ職
- バックオフィス
- 広報職
近年では、多様な人材を採用したいと考えている企業が増えてきており、上記のような文系職で活躍している理系学生も増えてきています。
理系学生ならではの論理的な考え方や分析・統計の知識などを活用することで、企業成長につながるとさまざまな企業から注目されています。
そのため理系を専攻していることが、文系就職の不利に働くケースは少ないでしょう。
理系が文系就職するメリット
理系が文系就職するメリットについては、以下があります。
- 自分の専門性を活かせる
- 論理的思考の基礎ができている
- 他の就活生との差別化になる
理系学生が文系就職することで、理系就職するよりも自分の実力を活かせる可能性があります。
自分の専門性を活かせる
職種や業界によっては自分の専門性を活かすことが可能です。
例えば、マーケティング職に文系就職した場合、マーケティングに必要な情報分析やビックデータ解析などの業務で大学で学んだ情報系や統計の知識を活かすことができます。
また営業職の場合は、大学での専攻分野に近い商材やサービスを扱っている企業に就職することで、クライアントに寄り添った提案がおこなえます。
論理的思考の基礎ができている
理系学生は在学中、論理的な考え方が身についているケースが多いです。
論理的思考の基礎ができていると、ビジネスにおいて以下のようなメリットがあります。
- 問題解決能力の向上
- 提案力の向上
- プレゼン力の向上
- コミュニケーション能力の向上
論理的思考の基礎があることで、同期の文系学生に比べて有利に転職活動を進められます。
他の就活生との差別化になる
文系就職の場合、他の文系の就活生との差別化になり、転職活動で有利に働きます。
面接時の「なぜ文系就職をするのか?」という質問に対して、文系就職を決断したエピソードや背景をしっかりと答えられれば、採用側の印象に残りやすいでしょう。
これから文系就職を検討している理系学生は、自分の考えをまとめて、面接時にしっかりと話せるように準備をしておきましょう。
理系の文系就職のデメリット
理系学生が文系就職するデメリットは以下です。
- 文系就職の情報を得る機会が少ない
- 就職活動と卒業研究の両立が難しい
- 推薦応募を活用できる企業が少ない
理系の文系就職ではメリットが多いですが、上記のようなデメリットがあることも理解しておきましょう。
文系就職の情報を得る機会が少ない
文系就職する人は、就職活動の情報戦で不利になることもあります。
文系学生の場合は、同じ学科・学部から同じ職種を目指す仲間が多いため、就職活動で有利になる情報を共有しやすいです。
そのため、文系に友人がいる場合には、文系就職することをあらかじめ伝えておき、できるだけ多くの情報を入手するようにしましょう。
また、文系学生の中に混じって自ら積極的に情報を取りに行くことも、内定を獲得するには必要です。
就職活動と卒業研究の両立が難しい
理系学生は文系学生に比べて、卒業研究に多くの労力を費やすため、就職活動との両立が難しいというデメリットがあります。
そのため、文系就職を検討しているのであれば、時間の使い方を工夫することが重要です。
合同説明会や合同選考会、就活コミュニティなどを活用して、効率よく就職活動を進めましょう。
推薦応募を活用できる企業が少ない
推薦応募とは、大学で用意されている推薦枠の中から企業を選んで応募する方法で、より有利に就活を進められるという特徴があります。
文系就職は推薦応募を活用できる企業が少ないので、専攻を活かして推薦応募を活用したいと考えている学生にとっては大きなデメリットと言えます。
理系の文系就職におすすめの業界・職種
ありがとうございます。
理系が文系就職するメリットやデメリットがよくわかりました!
それは良かったです。
文系就職を選ぶメリットは多いので、ぜひ検討してみてください。
ところで、メリットの中で「職種や業界によっては自分の専門性を活かすことが可能」とあったのですが、
専門性を活かせる業界や職種って具体的にどのようなものがあるんでしょうか?
良いところに気が付きましたね。
では、次は理系の文系就職におすすめの業界・職種について見てみましょう。
- コンサルタント
- 金融業界
- メーカー
- 医療業界
上記の業界・職種は、理系の専門分野を活かしやすい商品やサービスを取り扱っているので、文系就職におすすめです。
コンサルタント
コンサルタントは、クライアントが抱えている問題を分析して課題を抽出し、もっとも最適な解決先を導き出す役割を持っています。
理系学生が学んできた理論的思考力や膨大な文献を読む読解力などをフルに活かすことが可能です。
実際に、コンサルティング業界では理系出身者が多く活躍しています。
さらに、コンサルタントの業務ではデータ分析や数字も扱うことが多いため、文系学生よりも転職活動が有利になります。
金融業界
金融業界では、業務の中で数値を扱うことが多いので、理系との親和性は高いといえます。
証券会社や銀行では、データ活用をおこなうことが多く、分析スキルや情報処理能力が求められています。
プログラミングを利用して企業価値のデータ分析をおこなっているので、コンピューターの仕組みについて詳しい理系学生であれば、専門性を活かして働くことができるでしょう。
さらに、文系学生よりも数値を使った分析を得意としている理系学生は重宝される傾向です。
メーカー
メーカーでは、理系学生を企画職や営業職として積極的に採用する傾向があります。
メーカーが取り扱っている商品やサービスと、理系学生が持っている専門知識がマッチしていれば、顧客に対して技術的な面まで含めて説明や提案が可能になるからです。
商品やサービスの売上アップが期待できるので、理系学生を採用することは企業側からすれば大きなメリットといえます。
MR
製薬会社をはじめとしたMRに関しては、入社前から専門知識を持っている理系学生を積極的に採用しています。
医療に関わる専門分野を学んでいた理系学生であれば、社内教育や研修の期間を短縮できるので、即戦力として評価されやすいです。
化学や生物などの学部出身の理系学生が医療業界で多く活躍している傾向です。
理系が文系就職をするポイント
理系が文系就職をするポイントについては、以下があります。
- 文系就職する理由を明確にする
- 理系の強みをアピールする
- スカウトサービスを利用する
- 就活を効率よく進める工夫が必要
上記のポイントを押さえておけば、理系から文系就職をする際にスムーズに進みます。
文系にあえて合わせる必要はないので、面接などの選考シーンでは理系だからこその強みも把握して伝えられるようにしましょう。
文系就職する理由を明確にする
文系就職では、必ずといっていいほど面接で文系就職する理由を聞かれます。
万が一曖昧な回答をしてしまうと、マイナスのイメージを持たれてしまうリスクがあります。
しかし、文系就職を決断したエピソードや背景などをしっかりと回答できれば、採用側の印象に残りやすく、文系就職の成功につながります。
理系の強みをアピールする
理系ならではの強みをアピールすることで、差別化を図ることができます。
具体的には以下のような理系ならではの強みをアピールしましょう。
- 専門性がある
- 論理的思考力がある
- 数値処理能力がある
また、大学での研究内容や経験なども含めてアピールすることで採用側の印象に残りやすくなります。
コミュニケーション能力や人柄などの文系的なアプローチよりも、理系的なアプローチを積極的に行いましょう。
スカウトサービスを利用する
スカウトサービスを利用することで、効率よく就職活動をおこなえます。
近年では、理系学生を求めている文系企業が多数あるため、スカウトサービスによって、自身にぴったりな企業と出会える可能性が高くなります。
スカウトサービスは、自身の経歴や研究内容などを登録するだけで利用可能です。
就活サイトの選び方
就活サイトは大きく分けて以下の3つの種類があります。
就活サイトの種類 | 特徴 |
求人検索型 | 自身で希望条件を入力し、当てはまった企業の表示が可能。就活サイトが主催している説明会やセミナーなどのイベントに参加ができる一番オーソドックスな就活サイト。 |
エージェント型 | キャリアアドバイザーにより、企業紹介から内定までのサポートが受けられる。非公開求人の紹介やカウンセリングなどの手厚いサービスが特徴。 |
スカウト型 | 企業側からアプローチが行われる就活サイト。さまざまな企業からスカウトされる可能性があり、就活軸が決まっていない人にもおすすめ。 |
就活サイトの登録企業数が多ければ多いほど、自身に合った企業を探しやすくなり、選択肢を広げられます。
就活サイトのなかでは、求人検索型がもっとも登録企業数が多いので、就活軸がある程度決まっている人に向いているでしょう。
また、口コミや評判を参考にして、内定実績が豊富な就活サイトを選ぶことも1つです。
就活を効率よく進める工夫が必要
文系学生に比べて卒業研究で圧倒的時間が足りない理系学生は、就活を効率よく進める工夫が必要です。
具体的には、以下のような工夫が挙げられます。
- 就活コミュニティを活用する
- 合同説明会や合同選考会に積極的に参加する
- 企業研究のイベントに参加する
- OBや先輩内定者に相談する
最近では、文系就職のイベントなども開催しているので、積極的に活用していきましょう。
研究内容をわかりやすく説明する
最低限、自分が研究していた内容については、しっかり説明できるようにしましょう。
理系の学生は、面接の場で研究内容を聞かれる場合がほとんどのためです。
ただ、面接官は、研究内容に興味があって聞いているのではありません。
質問はあくまでも、「難しい内容を、素人が理解できるように伝えられるか」という伝える力を見るためにおこなわれます。
専門用語や横文字を並べるのではなく、簡単に噛み砕いて、分かりやすく説明するように心がけてください。
加えて、研究内容が応募する職種に有利に働くようであれば、その点もPRすると良いでしょう。
理系学生でも文系就職を目指そう!
今回は、理系が文系就職するメリット・デメリットや理系が文系就職をするポイントを紹介しました。
先述したように、文系就職では、自身の専門分野を活かすことで、文系学生よりも有利に就職活動をおこなうことが可能です。
今回の記事を参考にしながら、文系就職を成功させてください。