2025.03.17
個人事業主がカーリースを利用するメリットは何?注意点も解説

社用車を導入する際、購入とリースのどちらにするかを迷う方は多いでしょう。
特に個人事業主の方は、社用車を購入したいと考えている場合、資金面での負担が大きく、購入後の資金繰りを不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方におすすめしたいのが、法人向けのカーリースです。
今回は個人事業主がカーリースを利用するメリットや注意点について解説します。
個人事業主で社用車の導入を検討している方は参考にしてみてください。
個人事業主がカーリースを利用するメリット・デメリット
まずは個人事業主がカーリースを利用するメリットとデメリットを解説していきます。
メリット
初期費用がかからない
個人事業主がカーリースを利用するメリットとして、初期費用がかからない点があげられます。
カーリースは月々の利用料のみで事業用の車を確保できるため、購入時のように頭金を支払ったりローンを組んだりする必要がありません。
費用を一元管理でき、事務処理や手続きの手間を省ける
車を購入した場合は経理上、減価償却のルールに従って経費計上する必要があります。
また、メンテナンスや車検などで突発的に費用が発生することも。
一方で、カーリースは月々の支払いが一定で、税金や車検の費用も含まれたプランも用意されていることが多いです。
さらに、税金や車検、メンテナンスに関するスケジュール管理等もリース会社に任せられるため、事務処理や手続きの手間を大幅に省けます。
個人事業主の場合は業務以外に経理処理や事務手続きなどもご自身でされている方も多いかと思いますが、カーリースであれば経理処理の負担が少なく、今後発生する支出を見通しやすいことがメリットです。
全額経費として計上できる
カーリースの場合、車にかかる費用を全額経費として計上できます。
カーリースは車を固定資産として所有するのではなく、料金を払いながら車を借りるという仕組みだからです。
月々の利用料をそのまま経費として計上できるため、節税効果も期待できます。
さらには、カーリースの場合、所有者はあくまでリース会社となるため、固定資産税を計上しなくて良いというメリットもあります。
デメリット
車の所有権がない
個人事業主がカーリースを利用するデメリットは、車の所有権がないことです。
カーリースの車の所有権はリース会社にあります。
そのため、現状復帰できないようなカスタマイズはできません。
また、購入の場合には、手元に資金が必要になったときに車を売却して資金を得ることも可能ですが、カーリースの場合は所有権がないため売却は認められません。
原則中途解約できない
カーリースは一般的に契約期間を3〜5年にしているところが多いです。
そして契約期間中は原則として解約できません。
やむを得ない事情で中途解約しなければならない場合には違約金が発生するケースも多いため、契約前に確認しておきましょう。
走行距離制限がある
カーリースのプランによっては、走行距離に制限があります。
契約満了時に走行距離を上回っていた場合には追加で費用を請求される場合があることを覚えておきましょう。
走行距離の設定をあらかじめ選べるリース会社もあるため、事前に相談するとよいでしょう。
購入とリースの経費処理の違い
個人事業主が車を購入した場合とリースした場合では経費の処理に違いがあります。
購入した場合、車は固定資産となり、減価償却が必要です。
普通自動車は新車の場合、法定耐久年数は6年 と定められているため、6年間に分けて経費計上を行います。
車をローンで購入した場合には、毎月の支払利息のみが経費として認められます。
利息分以外の支払については経費として計上できないので注意しましょう。
カーリースの場合には原則として毎月の利用料金の全額を経費で落とせます。
個人事業主がカーリースを利用する時の注意点
個人事業主がカーリースを利用する時に必要な注意点について解説していきます。
プライベートでも使用するなら家事按分する必要がある
法人車の場合はプライベートでの使用が想定されていませんが、個人事業主の場合は仕事とプライベートの両方で車を使用するケースも多いでしょう。
カーリースにおいては、事業用とプライベートの両方で使用している場合は、家事按分(かじあんぶん)しなければいけません。
家事按分とは、事業用と自家用とで用途が混在している場合、事業用として使用した分だけを算出する方法のことを言います。
家事按分は基本的には個人事業主自身で行います。
計算方法としては、車を使用した日数で算出する方法や、走行距離で算出する方法があります。
いずれにしても日常的に運転記録をつけるなど、計算の根拠となるものを揃えておくと税務署への申告時にスムーズです。
法人リースは法人名義の口座が必要
法人向けカーリースを申し込む場合には法人名義の口座が必要となります。
法人名義の口座を所有していない場合は申し込めないケースが多く、個人向けカーリースでの契約になります。
個人名義でカーリースを契約した場合でも、車を事業用として使用することや経費計上に問題が生じることはありません。
長距離移動が多い場合は走行距離を事前にチェックしておく
カーリースのプランによっては走行距離に制限があることは、先に述べたとおりです。
長距離移動が想定される場合は契約前に、どのくらい走行するかを計算しておきましょう。
契約後は想定範囲内の走行を心がけることで契約満了時の追加料金の必要はなくなります。
取り扱い車種を確認する
どのような目的、用途でカーリースを導入したいのか、そのために最適な車種はどれなのかについて、明確にしておくことも大切です。
用途によって必要となる車種は異なりますが、個人向けリースでは商用車の取り扱いがないところもあります。
個人名義でのカーリースを検討している方は特に、事前に希望の車種がリースできるかどうかを確認してからリース会社を比較するとよいでしょう。
個人事業主はカーリースの審査で何がチェックされる?
カーリースの審査ではどのような点がチェックされるのでしょうか。
最後に審査基準と対策について解説していきますので、実際にカーリースの利用を検討している方は参考にしてみてください。
信用情報
カーリースに申し込む場合は、信用情報が審査の対象となります。
自己破産などの金融事故は、信用情報に一定期間事故情報が記載されます。
またクレジットカードでの支払いやローンの返済の遅延も記録が残り、審査が通りにくくなるため注意が必要です。
借入額が多い場合にも審査が厳しくなる可能性が高いです。
法人向けカーリースに申し込む場合には、数年分の決済書や確定申告書などの書類の提出が必要です。
法人の業績や債務状態がチェックされるため、滞納や不渡り歴があると審査で不利になります。
年収
個人名義でカーリースを利用する場合は、審査にあたり年収もチェックされます。
審査基準となる年収はリース会社によってさまざまですが、一般的には年収200万円以上から審査に通りやすくなるといわれています。
年収が200万円以上であっても安定性や信頼度によっては審査が厳しくなる場合があるため、連帯保証人をつけるなどの対策が必要です。
また、審査の通過が難しい場合には価格の安い車種で再検討するという選択肢もあります。
価格の安い車種はリース料金も安くなるため、同じ条件でも審査に通る可能性が高まります。
職種と事業年数
法人向けカーリースの場合、事業を行っている年数が長いほど信用度が高くなります。
職種も審査の対象となり、廃業や倒産の可能性が高いと判断される職種の場合は審査に通りにくくなります。
開業して間もない場合には事業計画を示し、将来性や安定性を示すなど信頼性を高めましょう。
その他の借入
法人名義でカーリースを利用する場合は事業の財務状況も審査の対象です。
利益に対して負債が大きすぎると、審査が通りづらくなります。
現在の負債を計画的に返済し、遅延を避けるなど、健全な財務状態へ導きましょう。
また、個人名義で申し込む場合には、住宅ローンなどの借入も確認される場合があります。
車が欲しい個人事業主の方はカーリースも検討してみては?
今回は個人事業主がカーリースを利用するメリットについて解説しました。
資金に余裕がないと車の購入には大きな不安が伴いますが、カーリースであれば支出を毎月一定に抑えられ、収支の見通しも立てやすくなります。
今回はカーリースについて解説しましたが、いろいろな選択肢を比較しながら最適な導入方法を選んでくださいね。
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